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手の切れるような製品を作る

(『敬天愛人』より)
品質においても、競合他社より優れたものを、お客様に安定して供給できる体制がなければ事業はうまくいかない。

創業時代から私は、品質について「手の切れるような製品」でなくてはならないと社員へ話してきた。これは、真新しい紙幣のような手触りを感じさせる素晴らしい製品という意味である。そのような製品でなければ、お客様に本当に満足してもらうことはできない。見る者をして感嘆せしめるような高い品質の製品が求められているのである。

では、「手の切れるような製品」はいかにしてつくるのか。まずは、採算をいっさい度外視して、最高の品質の製品を一個でもいいからつくり上げる。その後、コストを考慮に入れ、どのように量産するかということを検討していく、このような手法をとるべきだと思う。

製品には、つくった人の心が現れる。粗雑な人がつくったものは粗雑なものに、繊細な人がつくったものは繊細なものになる。しかし、粗雑な姿勢で粗雑な作業を行ない、でき上がった製品の中から良品を選ぶというケースが実際には多いのではないだろうか。私は、完璧な作業工程のもとに、「製品の語りかける声に耳をすます」というくらいに、繊細で集中した取り組みで、「手の切れるような製品」をつくり上げるようにしなければならないと考えている。
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