稲盛和夫研究

第二電電創業・日本航空再生を知る

稲盛が経営に携わった第二電電の創業、日本航空再生のプロセスを知るための必読書を紹介します。

挑戦者

タイトル 挑戦者
著者 渋沢和樹
出版社 日本経済新聞出版社(現在は日経BP)
出版年 2010年(文庫は2012年)
体裁 四六判 334p(単行本)
文庫判 350p(文庫)
定価

1,600円(税別)(単行本)
800円(税別)(文庫)

ISBN 9784532167363(単行本)
9784532196486(文庫)

解説

稲盛をはじめ、第二電電の創業に携わった関係者の証言をもとに構成したノンフィクション小説。
扉頁に「困難な事業を成し遂げるのは、知識や技術や資金に恵まれた者ではない。ただ純粋な心を持つ者たちである」と書かれているように、本書は巨大企業NTTに挑んだ一人の経営者と19人の若者たちの物語である。
巻末資料として固定電話と携帯電話・PHSの加入者数の推移、市外電話通話料金の推移、通信業界の歩みが収録されており、「日本の電話料金を安くする」という第二電電設立時の大義名分がいかに実現されたかを数値で知ることができる。
文庫化にあたって、稲盛は次のように本書制作協力の経緯と意義について述べている。「戦後日本経済史において独占市場を自由競争へと導いた成功例として、第二電電の創業からKDDIの誕生に至る物語を実話に基づいて描きたい――。著者の渋沢和樹氏は、そうした強い思いをお持ちであった。その熱意に絆(ほだ)され、私たち関係者は、渋沢氏の綿密な調査と取材に協力することにした。本書はそうした著者の並々ならぬ情熱と努力の成果であり、日本が高度情報化社会を迎えるうえでの一大変革を知るうえでも欠かせない著作となっている」

目次

  • プロローグ 電話料金を安くする!
  • 第1章 渦に飛び込む挑戦者たち
  • 第2章 若き十九人の船出
  • 第3章 弱者がトップに躍り出る
  • 第4章 ぶどうの房と外様大名
  • 第5章 不死鳥のように蘇れ
  • 第6章 小異を捨てて大同に
  • エピローグ
  • 巻末資料

JAL再生 高収益企業への転換

タイトル JAL再生 高収益企業への転換
編著者 引頭麻実
出版社 日本経済新聞出版社(現在は日経BP)
出版年 2013年
体裁 四六判 265p
定価 1,600円(税別)
ISBN 9784532318543

解説

大和総研常務で当時調査本部副本部長であった引頭麻実氏は会社更生法の適用による効果だけでは、JALのV字回復は説明できないとし、更生計画を上回った部分の利益(プラスアルファの効果)に着目して執筆したのが本書である。
JAL再生の謎に迫るため、引頭氏は稲盛をはじめとする日本航空の経営幹部、現場の管理職や社員など総勢約50名に取材を行い、破綻前と破綻後で社員の実際の行動がどう変わったのかについて分析を加えている。
「あとがき」において、本書の意義について、編著者の引頭氏は次のように締めくくっている。「本書は、JAL再生において、経営や現場がどのように動き、変わっていったのか、また、その変化を支えたものは何だったのか、といった点に焦点をあてた。2兆円を大きく上回る巨額な負債を抱えて破綻したJALが、短期間で再生を果たせた真因をあぶりだすことを、目的とした。破綻した企業の再生は簡単ではない。ましてやこれだけの大企業の再生となると、その例は非常に乏しくなる。JAL再生の真因に迫ることは、今後の企業再生の大きなヒントになるとの思いで本書を書き上げた」

目次

  • 第1章 更生計画を上回るV字回復
  • 第2章 管理者ではなく、リーダーであれ
  • 第3章 部門別採算による意識改革
  • 第4章 トップが現場に出向く
  • 第5章 マニュアル主義から考える現場へ
  • 第6章 価値を生みはじめたバリューチェーン
  • 第7章 改革に死角はないか
  • 終章  JALを再生させた5つのカギ
  • おわりに―JAL再生を私たちはどのように活かせるか
  • あとがき
  • 巻末資料
  • コラム