ニュースリリース

2008年

2008年03月25日

高速・高精細・高信頼 商業印刷分野で新たな市場を切り拓く

インクジェットヘッド事業の本格開始

解像度600dpi×600dpiで世界最速の150m/分※1フルカラー印刷を実現

2008年03月25日

ニュースリリースは報道機関向けの発表文章であり、そこに掲載されている情報は発表日現在のものです。ご覧になった時点ではその内容が異なっている場合がありますので、あらかじめご了承ください。

京セラ株式会社(社長:川村 誠)は、商業印刷用インクジェット印刷機の基幹部品であるインクジェットヘッドにおいて、解像度600dpi×600dpiとして世界最速の毎分150m(解像度600dpi×480dpiの場合、毎分200m)のフルカラー印刷を可能にする、世界最大の有効印字幅※24.25インチ(108mm)を実現した製品を、昨年開発しました。
このたび、約1年間にわたる実機検証で信頼性を確認し、本年4月より、インクジェットヘッド「KJ4シリーズ」を生産販売し、インクジェットヘッド事業として、国内および海外市場に向けた本格的な展開を開始しますのでお知らせいたします。
「KJ4シリーズ」は、A4サイズの用紙に換算し、1分間に約1,000枚分の高速印刷を実現可能とするものです。本製品の本格的な事業化によって、これまで商業印刷市場では未成熟であった、オンデマンドインクジェット印刷に対応できる信頼性をもった、高速・高精細印刷という新たな市場を創造します。
※1京セラ調べ(2008年3月25日現在)
走査方向に2本のヘッド(単体75m/分)を使用した場合
※2単体ヘッド比(2008年3月25日現在)

写真:インクジェットヘッド「KJ4シリーズ」
インクジェットヘッド「KJ4シリーズ」

■事業の概要
事業名称 インクジェットヘッド事業
本格事業開始 2008年 4月1日
売上目標 初年度10億円、次年度100億円
生産拠点 鹿児島隼人工場

■インクジェットヘッド事業化の背景と経緯
近年、商業印刷市場においては、チラシやカタログ等の販売促進ツール、および学習教材やフリーペーパーの分野で、より細分化された顧客嗜好に合わせて臨機応変に少量多品種の印刷ができる、オンデマンド印刷方式への需要が高まっています。
現在、商業印刷機の主流は、オフセット印刷機やグラビア印刷機等ですが、これらは、印刷の内容ごとにそれぞれ異なる版を必要とするため、小部数印刷に対する生産性が低く、オンデマンド印刷の需要に十分に応えることが困難であるとされています。一方、オンデマンド印刷方式の分野において進化が期待されるインクジェット印刷機は、家庭用が主流であり、商業印刷用とするためには、より高速でより信頼性の高い印刷を実現するインクジェットヘッドの開発が不可欠となっていました。
そこで、京セラは、この実現に向けたプリントヘッドの開発に着手し、5年の開発期間の後、約1年間の実機検証で駆動の安定性と信頼性を確認し、本年4月より、本格的に事業展開を開始することといたしました。
本製品は、2002年よりブラザー工業株式会社との共同開発で培った基本技術をもとに、さらに当社単独での開発を進め、製品化に成功したものです。本製品の搭載により、商業用のオンデマンド印刷にも、高速、高精細で対応可能な、インクジェット印刷機が実現することとなります。

■京セラのインクジェットヘッド「KJ4シリーズ」の特長について
ファインセラミックスとプリントヘッドの各種技術を融合した京セラの総合力

京セラは、「KJ4シリーズ」の開発にあたり、当社独自の高度な圧電セラミック技術を応用して、インクジェットヘッドに最適な小型ピエゾアクチュエータ(圧電素子)の自社開発に成功しました。ピエゾアクチュエータは、ファインセラミックスの圧電効果を利用しインクの吐出をコントロールする、インクジェットヘッドの中で最も重要な部品です。
また、当社は薄膜部品事業において、サーマルプリントヘッド、LEDプリントヘッド等の事業化を通して培ったプリントヘッドの設計技術や製造技術等を活かし、ピエゾアクチュエータやそれに付随する小型ノズルを、世界最大の有効印字幅4.25インチ(108mm)に、高密度かつ規則正しく配置し、正確に駆動することを可能としました。
ファインセラミックスならびにプリントヘッドに関する幅広い知見や豊富な技術を最大限に活用した総合力によって、インクジェットヘッドの製品化が可能になりました。

写真:有効印字幅4.25インチ(108mm)に、2,656個のピエゾアクチュエータを配置
有効印字幅4.25インチ(108mm)に、2,656個のピエゾアクチュエータを配置


1. 世界最速毎分150mの印刷スピードを達成
世界最大幅である4.25インチ(108mm)の広い幅を持つラインヘッド型のインクジェットヘッドによって、ワンパス(一回の走査)での効率的な印刷が可能となり、世界最速の毎分150mを実現しました。
※走査方向に2本のヘッド(75m/分を2本使用)を組み合わせて使用した、株式会社ミヤコシ製印刷機「MJP600」の場合。1分間にA4サイズ約1,000枚分の印刷が可能。
2. 高精細600dpi印刷を実現
ピエゾアクチュエータの小型・高効率化と、独自の流路設計により、4.25インチの幅に2,656個という高密度なインクノズルの配置を実現。これにより、高速印刷にも関わらず解像度600dpi×600dpiの高精細印刷が可能となります。
3. 設計の容易性
これまで、広い印刷幅が必要な場合は、インクジェットヘッドを数十本組み合わせて機器に搭載しており、ミクロン単位でのヘッドの位置あわせや、インク配管、配線等、設計上のさまざまな調整が必要でした。本製品は、4.25インチサイズの幅広インクジェットヘッドであるため、使用するヘッド本数が少なく、機器設計が容易になります。
イメージ:ヘッドの配列と数量の比較イメージ (600dpi×600dpi、150m/分、用紙幅50cmの場合)
ヘッドの配列と数量の比較イメージ (600dpi×600dpi、150m/分、用紙幅50cmの場合)
4. 多様な印刷物に対応
本製品は、水系インク、UVインク、油系インクに対応しており、紙はもちろんのこと、布やプラスチックフィルムのような非吸収体等、さまざまな素材への印刷が可能です。印刷物へ接触することなく印刷できるインクジェット印刷は、その特長から、さらなる用途拡大への可能性を秘めています。
5. 高い信頼性
京セラでは、本事業化に先立ち、すでに1年におよぶ客先運用によるオンデマンド商業印刷を実施し、本製品の高い信頼性を確認しております。2007年4月より、商業印刷機の製造会社大手、株式会社ミヤコシ(本社:千葉県習志野市、社長:宮腰 巖)の印刷機「MJP600」に本製品が搭載され、1日の印刷量が距離にして100kmにおよぶ大量印刷を数カ月間行い、品質・安定性ともに良好な結果を得ております。

写真:株式会社ミヤコシ製印刷機「MJP600」
株式会社ミヤコシ製印刷機「MJP600」


■製品仕様
方式 ラインヘッド型インクジェットヘッド
ヘッドサイズ 200×25×58(mm)(幅×奥行き×高さ)
ノズル数 2,656ノズル/ヘッド
有効印字幅 4.25インチ(108mm)
解像度 600dpi×600dpi
印刷速度※ 75m/分(走査方向解像度600dpi時)
液滴サイズ※ 4pL~21pL
※1インク種類および印刷条件により異なります。

ニュースリリースは報道機関向けの発表文章であり、そこに掲載されている情報は発表日現在のものです。ご覧になった時点ではその内容が異なっている場合がありますので、あらかじめご了承下さい。

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