ニュースリリース

2011年

2011年12月16日

フォトリソ加工による小型ATカット水晶振動子の開発に成功

CI値60Ωの実現により発振時の抵抗を25%改善、設計試作期間を1/2以下に短縮

2011年12月16日

ニュースリリースは報道機関向けの発表文章であり、そこに掲載されている情報は発表日現在のものです。ご覧になった時点ではその内容が異なっている場合がありますので、あらかじめご了承ください。

京セラ株式会社
京セラキンセキ株式会社
京セラ株式会社の100%子会社で、水晶デバイスの開発製造会社である京セラキンセキ株式会社(社長:酒井 威、以下京セラキンセキ)は、フォトリソグラフィ加工(以下フォトリソ加工)を応用し、水晶振動子が発振する際の抵抗度合いを表すCI値(クリスタル·インピーダンス)(直列抵抗)60Ωを実現するATカット水晶振動子「CX1612SB」の開発に成功しましたのでお知らせいたします。
2012年3月より本製品をサンプル出荷し、2012年夏以降、月産50万個で量産を開始します。なお、製品の販売は京セラ株式会社がおこないます。


写真:1612サイズATカット水晶振動子「CX1612SB」
1612サイズATカット水晶振動子「CX1612SB」
(目盛は1mm)

■フォトリソ加工を応用した1612サイズATカット水晶振動子

名称

水晶振動子 CX1612SB

用途

無線通信端末の基準信号発振用

外形寸法

1.6×1.2×0.3mm

生産拠点

京セラキンセキ山形株式会社
京セラキンセキ株式会社 滋賀八日市事業所

サンプル対応

2012年3月より

周波数許容偏差

±15×10−6/+25℃±3℃

周波数温度特性

±15×10−6/−10〜+70℃
(25℃の周波数に対しての偏差)

CI値(直列抵抗)

60ΩMax.(38.4MHz基本波、参考値)




ATカット水晶振動子は、ICなどの基準信号を発振する部品として、携帯電話やスマートフォン、ヘルスケア製品など様々な電子機器に幅広く使用されており、昨今、機器の高機能化に伴いさらなる高精度化が求められています。しかし、従来の機械研磨加工※1は、加工精度に限界があり特性にバラつきが発生してしまうことや設計試作に2〜3ヶ月を要することが課題となっていました。
このたび、1枚の水晶基板(ウエハー)上に微細なパターンが多数形成できるフォトリソ加工を応用する独自の製造技術を開発したことで、これらの課題を解決し、以下の特長を持つ本製品の開発に成功しました。

1. 発振時の抵抗を表すCI値で60Ωを実現し、機械研磨加工品比で25%改善
水晶素子の寸法バラつきと加工歪みの抑制を実現したことに加え、高度な設計技術を用いることにより、水晶素子を独自の楕円・凸面(メサ※2)形状にしたことで、CI値を機械研磨加工品の80Ωから新製品では60Ωと25%の改善に成功しました。

2. 設計試作の期間を最短1ヶ月間に短縮
機械研磨加工は、水晶素子を個片化して研磨するため2〜3ヶ月の期間を要しますが、フォトリソ加工は研磨加工が不要で水晶ウエハー1枚に多数の素子を同時に形成できるため、設計試作のリードタイムが最短で1ヶ月、従来の1/2以下に短縮しました。

京セラキンセキは、このたび確立したATカット水晶振動子のフォトリソ加工による製造技術を活用することで、高精度な部品の開発に加えてさらなる小型化にも積極的に取り組んでまいります。

■京セラキンセキが保有する高度な要素技術の結集
今回開発した新製品は、フォトリソ加工の応用に加え、京セラキンセキがこれまで培ってきた以下の技術を融合することで実現しました。

1. 長年培ってきた高品質人工水晶の育成技術
京セラキンセキが50年以上にわたり培ってきた優れた人工水晶の育成技術(育成炉条件、育成材、洗浄など)と、大型人工水晶が育成可能な直径650mmの育成炉により、フォトリソ加工に適した無欠陥・高Q値※3の大型人工水晶を原材料に用いることが可能です。

2. 高精度のウエハー加工技術
京セラキンセキ独自の人工水晶を高精度に切断·研磨加工する技術を巧みに組み合わせることにより、ATカット水晶振動子の周波数を決めるウエハーの板厚をナノメートルオーダーという高い精度(平面度、平行度)で実現しています。

3. 高い設計技術
京セラキンセキは、水晶素子内に振動エネルギーを閉じ込めるために、高度な設計・評価技術を用い、水晶素子を独自の楕円·メサ形状としました。これにより、CI値を小さく抑えることに成功しました。


図:京セラキンセキ独自の楕円・メサ形状

※1 機械研磨加工:切削工具や工作機械を用いて素材を研磨する加工。
※2メサ形状:メサ (Mesa)とは、差別侵食によって形成されたテーブル状の台地のこと。この言葉にちなみ、エッチングなどで断面を凸形に加工したものをメサ形状と呼ぶ。
※3 高Q値:振動のしやすさを示すQ値 (Quality factor)が高いことで、材料特性が非常に安定していることを示す。

ニュースリリースは報道機関向けの発表文章であり、そこに掲載されている情報は発表日現在のものです。ご覧になった時点ではその内容が異なっている場合がありますので、あらかじめご了承下さい。

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