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よくあるご質問

タンタルコンデンサ

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複数のタンタルコンデンサを直列・並列接続するときに、電圧と電流が均一に分担されることをどうすれば保証できますか?

複数のコンデンサを直列・並列接続すればあらゆる静電容量・定格電圧を作ることができます。例えば、安定動作を確保するために60μF以上の容量を必要とする回路を考えましょう。電源ラインが24Vdcで、それに1.5V/120Hzの交流成分が載っているとします。従ってコンデンサに印加される最大電圧は25.5Vです。50%の電圧ディレーティングを適用すると50Vのコンデンサが必要になります。

25Vのコンデンサを2個直列接続すれば50Vを得られますが、その場合には静電容量は半減します。従って、必要の50V/60μFを得るために25V/33μFのコンデンサを2個直列×2個並列に接続する必要があります。

信頼性を保証するには下図に示されるよう接続しリプル電流などの交流成分を均一に分担させます。
なお、コンデンサの漏れ電流のばらつきによりライン電圧が不均一に分担される可能性があります。これを防ぐためにコンデンサと並列に抵抗器を挿入します。

他種類のコンデンサと比べて、タンタルコンデンサはどのようなメリットがありますか?

タンタルコンデンサは次のメリットがあります。

  1. タンタルコンデンサは高い体積効率を有します。
  2. 電気的性能は広い温度範囲にわたって安定しています。
  3. タンタルコンデンサは?55℃?+125℃以上の幅広い温度で使用できます。
  4. タンタルコンデンサはアルミ電解コンデンサと比べて周波数特性が優れています。
  5. 固体電解タンタルコンデンサは、その構造の関係で磨耗故障するメカニズムはありません。
    従って時間経過に伴う劣化はありません。
AVXでは低インピーダンス回路により全数のサージスクリーニングをやっていると思いますが、定格電圧25Vのタンタルコンデンサを25Vの低インピーダンス回路で使用できないのはなぜですか?

タンタルコンデンサの高い体積効率を実現するために、誘電体層として極めて薄い酸化皮膜を使用します。このため、25Vといった比較的低い電圧を印加した場合でも誘電体層に大きな電界が加わります。従って、信頼性のセクションでも述べたように電圧ディレーティングは信頼性へ大きく影響します。
例えば、25V/22μFのタンタルコンデンサを考えましょう。

コンデンサの電極の表面積は次のように計算できます。

C = ((ε) (ε0) (A)) / d
A = ((C) (d)) /((E0) (ε))

ただし

C = 静電容量(F)
A =電極の面積(m2)
d = 誘電体層の厚み
ε = 比誘電率 (タンタル:27)
ε0= 真空の誘電率(8.85 x 10-12 F/m)

計算しますと

A = ((22 x 10-6) (170 x 10-9)) / ((8.85 x 10-12) (27))
A = 0.015m2 (150cm2)

を得ます。
次に誘電体層に加わる電界強度を計算します。

誘電体層化成電圧 = 化成率×定格電圧
  = 4×25V
  = 100V

誘電体層(Ta2O5)の成長率は1.7×10-9m/V。
従って

誘電体層の厚み(d) = 100V×1.7×10-9m/V
  = 0.17μm
電界強度 = 印加電圧/d
  = 25V/0.17μm
  = 147kV/mm
  = 147MV/m

高純度タンタルパウダーを使用しても誘電体層の中に不純物による欠陥箇所が存在します。
弊社では、コンデンサを生産する際に過電圧サージや高温バーンインを実施することにより欠陥箇所が多い部品を除去しますが、誘電層の面積が極めて大きいため全てのコンデンサに欠陥箇所は必ず存在します。これらの欠陥箇所を非結晶状から導電性の結晶状に変化させるのに必要な活性化エネルギーを防ぐために直列抵抗を入れたり、電圧ディレーティングを行います。欠陥箇所の電界強度を減らすことによりタンタルコンデンサの信頼性を改良できます。タンタルコンデンサは、他種類のコンデンサとは異なり過渡パルスの電荷はイオン吸収ではなく電子導電により伝わります。

タンタルコンデンサはどのような逆電圧パルスで動作できますか?

逆電圧の規格値は、スイッチングなどによる瞬間的な逆電圧に関するものです。逆電圧を継続的に印加してはいけません

最大逆電圧は以下のとおり定められています。

25℃:定格電圧の10%/最大1V
85℃:定格電圧の3%/最大0.5V
125℃:定格電圧の1%/最大0.5V

タンタルコンデンサのメーカーは一般的には0.1Ω/Vの直列抵抗を推奨することに対して、AVXが低インピーダンス回路では1Ω/Vを推奨しているのはどうしてですか?

これらの推奨は条件が大きく異なります。
一般に推奨される0.1Ω/Vというものは信頼性試験で使用される回路インピーダンスであり、あくまでも定常的条件に関するものです。一方で1Ω/Vは電源回路の一次側などサージ電流が発生する回路に関する推奨です。バックコンバータやフォワードコンバータ、フライバックコンバータなど電流の立ち上がり(di/dt)が制限されているような回路では低い直列抵抗を使用できます。

タンタルコンデンサは保管期限ありますか?

タンタルコンデンサは保管期限はありません。誘電体層は安定しており再化成する必要はありません。保管後の性能に影響するのは高い湿度と極端な温度だけです。2年間以上保管すると電極端子のはんだ性が劣化することがあります。推奨保管条件は?10℃?+50℃ 75%RH以下 860mbar?1060mbarです。
使用する前に電極端子が酸化されていないか確認ください。

コンデンサを並列接続して使用することに関して推奨または制限はありますか?

TPS、TPM、NOS、NOM、TCJ、TCNは低ESRを提供する高性能のものであり、サージ電流に強いです。これらシリーズは汎用品のTAJとは設計が異なり、ESR値が低く分布が狭いです。これによりコンデンサを並列接続された場合に電流の分布が均一になります。従って並列接続する場合にはTPS、TPM、NOS、NOM、TCJ、TCNなど低ESRタンタルコンデンサを推奨します。

なお、一つの並列接続のなか異なるメーカーのコンデンサを混ぜないでください。

タンタルコンデンサはどれぐらいの電圧ディレーティングが必要ですか?

タンタルコンデンサのメーカーは古くから50%の電圧ディレーティングを推奨していますのでこれが一般的になっています。ここでは、50%電圧ディレーティングを必ずしも適用する必要はない理由を説明します。

まず、50%ディレーティングはタンタルコンデンサが低インピーダンスラインで使用され始めた時から推奨されています。低インピーダンス回路は大きな電流を流され故障の可能性が高まります。

MIL-STD-317でも取り上げられているように、電圧ディレーティングはタンタルコンデンサの故障率に大きく影響することは実験により証明されています(図1参照)。印加電圧を定格電圧から定格電圧の50%まで下げることによって故障率は100倍以上改善されます。

また、似たような改善はダイナミックで大きなパルス電流の場合でも得られます。このため50%ディレーティングが一般に推奨されるようになりました。
ここで、下図のような回路を考えましょう。

電源は2セルの電池から構成されているものとします。従ってVbat = 3.2V。また、各部品のインピーダンスを以下の値とします。

Zbat = 60mΩ
Zdiode = 70mΩ
Zcap = 120mΩ
ZL = 70mΩ

50%ディレーティングを適用すれば6.3Vのコンデンサを使用することになります。回路インピーダンスが320mΩです。オームの法則からは最大電流が10Aになります。
これは、AVXの大電流スクリーニングで流れる電流を超えているため故障する可能性があります。このため、この回路では10Vのコンデンサを使用する必要になります。

一般的には、熱機械的ストレスによる損傷がない限りタンタルコンデンサが耐え得る最大電流は次式により求めます。

Imax = VR / (1 + ESR規格値)
例えば、10V/100μF Dケース(ESR=0.9Ω)の場合には
Imax = 10V / (1 + 0.9)Ω = 5.2A

ある回路では、サイズの制限のためタンタルコンデンサ以外に使用できるコンデンサはありません。このような場合には電圧立ち上がりを緩やかにするためにPFETを使用することを推奨します。
これにより最大電流も緩和され故障のリスクが抑制されます。
次に、LDOまたはDC/DCコンバータを回路に追加します。

コンデンサC2はサージ電流が流れる可能性が低いです。出力電圧を2.8Vとする最大電流が1.5A以下となります。従って4Vのコンデンサを使用できます。ただし、コンデンサを定格電圧に近い電圧で使用するとデメリットがあります。一つ目は定常状態寿命(MTBF)の短縮です。タンタルコンデンサのMTBFはMIL-STD-317で定められているように容易に計算することができます。
例えば、動作温度を85℃で、回路インピーダンスを0.1V/Ωとします。
5Vラインで10Vのコンデンサを使用する場合の故障率を計算してみます。

FR = 1%/1000時間x FT x FU x FR
  = 1%/1000時間x 1 x 0.007 (図1より) x 1
  = 0.007%/1000時間
MTBF = 105 / FR
  = 14,285,238時間
  = 1,631年

一方、5Vラインで6.3Vのコンデンサを使用する場合には故障率は

FR = 1%/1000時間x FT x FU x FR
  = 1%/1000時間x 1 x 0.12 (図1より) x 1
  = 0.12%/1000時間
MTBF = 105 / FR
  = 833,333時間
  = 95年

二つ目のデメリットは漏れ電流の増大です。漏れ電流は、電圧ディレーティングが大きければ大きいほど減少します(図2参照)。50%ディレーティングを適用すると漏れ電流は、80%ディレーティングに比べて3倍以上改善されます。

また、鉛フリー化によるリフロー温度の上昇に伴って熱機械的ストレスが大きくなりましたが、電圧ディレーティングを行うことで故障のリスクを抑制することができます。
この文書で述べたガイドラインをよく守り、また電圧ディレーティングの定常状態信頼性および漏れ電流への影響をよく配慮した上で用途に応じた適切なディレーティングを決めてください。

「故障率」とはどういう意味ですか?

故障率とは、所定条件(温度、印加電圧、回路インピーダンス)で所定の時間内に何%故障するかを表します。

PPMとはどういう意味ですか?

PPMは英語のParts per million の略です。1PPM=100万分の1です。 タンタルコンデンサの故障率が極めて低いため通常はPPMで表します。

%/1000時間とFITsとどう違いますか?

故障率はいくつかの表しかたがありますが、一般的には%/1000時間とFITsが使用されます。FITsは通常、%/1000時間の値が極めて小さく読みにくくなる高信頼性製品で使用されます。
FITsと%/1000時間の変換は次のように行います。

0.01%/1000時間 = 100FIT

信頼性の計算基準はなんですか?

AVXの仕様で適用されている基準はヨーロッパのEN 61709をベースに、実用途の条件を反映させるために直列抵抗の定義を追加しました。AVXの基本故障率は85℃ 定格電圧 0.1Ω/Vにおけるものです。ご使用条件での故障率は、基本故障率FBに温度補正係数FT、印加電圧補正係数FV、回路インピーダンス補正係数FRをかけて計算します。

タンタルコンデンサは静電気により損傷することはありますか?

タンタルコンデンサおよび酸化ニオブコンデンサは静電気に影響されません。

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