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再結晶宝石の誕生  
再結晶エメラルドの原石のイメージ「宝石本来の魅力とは、人に夢を与え、心を豊かにすること。それが今、忘れられつつあるのではないか」ー京セラが再結晶宝石の開発に取り組んだきっかけは、そんな稲盛名誉会長(当時社長)の危惧でした。
その背景には、採掘に限りがある天然宝石の質の低下、価格の高騰があります。色が美しくなかったり、キズやインクルージョンがあったり、またこれらをカバーするためあたり前のように人工処理された宝石が、果たして人々の心に本当の「豊かさ」を届けることができるのか。特に自然界に見いだすことが難しくなってきた宝石本来の美しい「色」を現代技術の力で再現し、人々に宝石を身につける真のよろこびを提供したいという思いから、京セラの新しい挑戦が始まったのです。
それまでも、「人の手で宝石をつくる」ということは各国で試みられてはいましたが、いずれも「天然に似せる」「天然と見分けがつかない」ことをめざしたもので、あまりよいイメージはありませんでした。しかし京セラが目標にしたのは、似せるのではなくあくまでも最も美しいとされてきた宝石の色を再現すること。この徹底したこだわりゆえに、開発は決して妥協を許さない、困難なものとなりました。セラミックの技術があるとはいえ、宝石を結晶させるにはまったく別の工程が必要。未知なる分野へのトライは、1970年、まず自分たちの手で実験装置をつくることからスタートしました。そしてついに、5年後の1975年、最初の商品である再結晶エメラルドを世に送り出すに至りました。ジュエリーのブランド名は「クレサンベール」、 フランス語と英語の造語で「緑色の三日月」。将来この緑色の宝石が世の中に広まって満月のように輝いてほしいという願いがこもっています。それから28年。「イナモリストーン」の名のもと次々にカラーストーンの再結晶を成功させ、商品化してきた今も、宝石のピュアで美しい色へのこだわりは、変わらずに貫かれています。
 
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