AHFIXの表面構造

AHFIX処理後のチタン表面のオージェ電子分光分析結果

AHFIX処理を施したチタン表面のオージェ電子分光分析を行うと、チタン基材表面から約1μmの深さまでナトリウムと酸素が入り、それらの濃度が深さ方向に徐々に減少していることが分かります。

これにより、AHFIX処理層の剥離が起こりにくくなっています。

折れ線グラフ:AHFIX処理後のチタン表面のオージェ電子分光分析結果

AHFIX処理による金属表面構造の変化

図:AHFIX処理による金属表面構造の変化

チタン金属にAHFIX処理を施すと表面構造は次のように変化します。

  • 薄い酸化膜で覆われたチタン金属をNaOH水溶液に浸漬すると、その表面にチタン酸水素ナトリウムの層が形成されます。
  • 次に洗浄処理を行うと、この層中のナトリウムの一部が水の中のヒドロニウムイオンと交換され、表面が網目構造を有するチタン酸塩の層になります。
  • その後、加熱処理を行うと、表面がチタン酸ナトリウムとアナターゼからなる層に変化し、この層は基材に強く結合し、生体活性能を発現します。