AZ209の材料特性

機械的特性

材料特性表

項目 単位 AZ209 ジルコニア
AZ209
高純度アルミナ
AL190
Co-Cr-Mo合金
化学組成 wt% Al2O3 79,
ZrO2 19,
Others 2
ZrO2+HfO2+Y2O3>99.0 Al2O3>99.5 Co Bal,
Cr 26-30,
Mo 5-7
密度 g/cm3 4.25 6.08 3.98 8.5-10.0
平均結晶粒径 μm 0.4 0.2 1.3
4点曲げ強度 MPa 1300 1400 600 655
破壊靭性値(IF法) MPa・m0.5 4.5 4.2 3.7
硬度 Hv 1700 1400 1900 285-340
ヤング率 GPa 350 210 400 213

※金属材料の曲げ強度は、参考値として引張り強さを示しています。

機械的特性の比較

AZ209ZR195AL190における機械的特性の比較を、4点曲げ強度、破壊靭性値(IF法)、硬度に関して行いました。結果はグラフのとおりで、AZ209はジルコニア(ZR195)とほぼ同等の強度と破壊靭性を有しており、また高純度アルミナ(AL190)と同等の硬度を有していました。この結果から高強度、高靭性、高硬度と3つ揃ったAZ209の特性が証明されます。

棒グラフ:4点曲げ強度のグラフ、破壊靭性値(IF法)のグラフ、硬度のグラフ

破壊強度比較(AZ209ZR195AL190

棒グラフ:骨頭ボール28+3破壊試験結果のグラフ

AZ209ZR195AL190製の骨頭ボール(28+3)を用いて破壊強度比較試験を実施しました。AZ209AL190よりも強度が高く、ZR195と同等の強度を有していました。

最適なアルミナ/ジルコニア比

AZ209はアルミナ材料をベースにアルミナ/ジルコニアの比率を厳密にコントロールし、ジルコニア粒子を均一に分散させることにより高強度・高靱性・高硬度を獲得することに成功しました。

写真:AZ209の結晶写真、ジルコニア(ZR195)の結晶写真、高純度アルミナ(AL190)の結晶写真、

AZ209 高強度・高靭性の仕組み

AZ209は微細な結晶粒、ジルコニア粒子の均一な分散により高強度・高靭性を有しています。またジルコニア粒子による応力緩和やアルミナ質板状結晶によるクラックの迂回効果も高強度・高靭性の要因と考えられます。

図:均一に分散されたジルコニア粒子が結晶相転移をおこす事による応力緩和の図、点在するアルミナ質板状結晶による迂回効果の図

安定性

生体内での長期安定性

図:ジルコニア粒子の分散とアルミナ粒子による拘束の図

一般にジルコニアは、200~300℃付近の温度で単斜晶への相転移が顕著におこり、さらに水分の存在によってこれが加速されることが報告されています。したがってAZ209でも材料にジルコニアを含むことにより、ジルコニア結晶相の変化が懸念されます。しかしながらAZ209は成分配合、結晶制御技術などにより、アルミナ粒子の拘束力によって正方晶を維持しており、ボイド及びジルコニア粒子の凝集がないため、あらゆる条件下で安定しています。

図:ジルコニアの相転移

ジルコニアの相転移

結晶相の安定性

折れ線グラフ:ジルコニア中の単斜晶量の変化

AZ209エージング試験:134℃飽和水蒸気中
単斜晶量算出:X線回析→GarvieとNicholsonの式

AZ209のジルコニア結晶相変化を調べるために、134℃飽和水蒸気中で10時間及び50時間のエージング試験を実施しました。その結果、AZ209ではジルコニア結晶相の変化がほとんど見られませんでした。

材料強度の安定性

折れ線グラフ:4点曲げ強度の変化

水熱条件下でAZ209の4点曲げ強度試験を実施した結果では、AZ209は曲げ強度の変化が認められませんでした。このことによりAZ209は生体内で安定な材料といえます。

摩耗特性

低摩耗

折れ線グラフ:骨頭材質の違いによるポリエチレンカップの摩耗

周波数: 1Hz
試験環境: 37℃、
27%牛血清
AZ209と高純度アルミナはAeonian、
Co-Cr-Mo合金はConventionalポリエチレンカップにて試験実施

AZ209ヘッドの摩耗特性を評価するため、HIPシミュレーターを用いた摩耗試験を行い、既存製品との比較を行いました。

考察

AZ209製骨頭とポリエチレンカップの組み合わせにおける摩耗量と、高純度アルミナ(AL190)製骨頭とポリエチレンカップの組み合わせにおける摩耗量は同等であることから、AZ209製骨頭と高純度アルミナ(AL190)製骨頭の摩耗特性は同等であると考えられます。