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Surface

表面処理技術

セラミック技術

Aquala(アクアラ)は、細胞膜と同じ分子構造を持つ「MPCポリマー」を人工股関節摺動面(関節面)にグラフト重合させることに成功した、日本発の技術です。 関節軟骨と同様の表面構造を構築するというバイオミメティック(生体模倣)技術を活用することにより、人工股関節のゆるみの主因である「摩耗粉の産生」と「摩耗粉による骨吸収の誘導」を同時に抑制することが示唆されました。15年分以上に相当する歩行負荷試験では、摩耗粉の産生が従来の製品(当社製品との比較)と比べ約99%抑制され、人工股関節の耐用年数を大きく延ばすことが期待できます。

Aqualaやじろべえ

Aqualaで処理をした人工股関節摺動部材(右側)では、未処理(左側)のものに比べて摩擦が低下しているため、回り続けます。

AG-PROTEX

AG-PROTEX(エージー・プロテクス)は、PROARC HAによるハイドロキシアパタイト(HA)コーティングの骨伝導性を維持しつつ、さらに銀の抗菌性を加えた京セラ独自の溶射技術であり、銀による抗菌性とHAによる骨伝導性、骨固定性を両立させることに初めて成功しました。セメントレス人工関節の骨との接合部分に適用され、インプラント表面に抗菌性、骨伝導性及び骨固定性を付与します。

AHFIX

AHFIX(アフィックス:アルカリ加熱処理)とはチタン金属に生体活性を付与することができる表面化学処理技術のことです。チタン金属は、その表面が薄い酸化膜で覆われているため、化学的に安定しており、人工関節用生体材料として広く使用されています。通常、生体内でチタン金属が骨と直接結合することはありませんが、NaOH水溶液浸漬処理、洗浄、そして大気中で600℃の加熱を行うことにより、チタン金属表面に骨と直接結合する層が形成されます。

PROARC HA

PROARC(プロアーク)HAは、イナートガス・シールドアーク溶射法(PROARC)による純チタンの粗面皮膜上に、HAをコーティングした表面処理技術です。PROARC HAは、術後早期にHAコート層がPROARCの粗面凹凸に骨を伝導し、初期固定を向上させ、骨癒合完了後は純チタン粗面皮膜であるPROARCにより、骨との強固で安定した固定性が維持されるものと考えられます。

ボトムコーティング技術

人工関節の表面を多孔性にすると、そこへ生体骨が侵入して、高い固定力が期待できるようになります。ボトムコーティング技術は、その孔の底部に、AWガラスセラミックスのような生体活性材料をコーティングする技術です。この技術によって、生体骨は孔の深部に侵入し、生体骨との結合力を高めることができます。

HAコーティング技術

HAコーティング技術とはフィクスチャーにコーティングされるハイドロキシアパタイト(HA)は、Ca10(PO4)6(OH)2の化学式で表される化合物で、脊椎動物の骨や歯の主成分であり、リン酸、水酸化カルシウム等の原料から、化学的に合成することができます。

HAコーティングされたチタン製フィクスチャーと陽極酸化処理された
チタン製フィクスチャーの初期骨伝導能の比較

組織標本の全面画像を画像分析ソフトを用いて処理し、術後2週、4週、8週での新生骨組織と材料表面の接触面を抽出して、骨との接触面積を計測した。
HAコーティングされたチタン製フィクスチャーは、陽極酸化処理されたチタン製フィクスチャーに比べ、埋入後2週、4週、8週いずれにおいても接触面積率が高いことがわかります。8週のSEM画像からも石灰化の進んだ緻密な新生骨がHAコーティング層が充分に結合しているのが確認されました。

bone contact rate (%)* bone contact rate :
(骨が線維組織を介さずにインプラントに直接接する部分の長さ)÷(骨とインプラントとの界面の全長)×100
骨とHAコーティングおよびインプラントの接触を示すSEM画像(8週)