伊豆市・総合防災訓練で
京セラ製タブレットを活用
スムーズな情報共有と使いやすさを
実感し本格運用に向けた可能性を
議論する有益な結果に

TORQUE® 5G 導入事例
今回の総合防災訓練において活用された「タブレット×スマートAIボード」

活動・業種:総合防災訓練(伊豆市危機管理課)
ニーズ:スムーズな情報共有
製品:KC-T304C

【背景・課題】
● 総合防災訓練実施に向けた初のタブレット活用
● 災害時における災害対策メンバー全員の「確実な情報共有」が課題に
【施策・成果】
● タブレットを使ってメンバー全員の手元で確実かつスムーズに情報共有
● 安心して使える堅牢性&汎用性で、滞りなく防災訓練を実施

静岡県伊豆半島の北東部に位置し、日本有数の観光地として知られる伊豆市。この伊豆市の総合防災訓練(2022年9月4日)の実施に際して、京セラはWi-Fi®タブレット「KC-T304C」を貸与しました。今回は伊豆市役所において日々、市民の安全を支える危機管理課の沖出様・伊東様・堀江様のお三方に、訓練の様子や成果、KC-T304Cの使用感などを伺いました。
※2022年11月現在

「タブレットを初活用」IT化も推進する伊豆市の総合防災訓練
今回の総合防災訓練の内容を語る防災訓練担当 沖出氏

「タブレットを初活用」IT化も推進する伊豆市の総合防災訓練

伊豆市は2022年9月4日に、総合防災訓練を実施しました。訓練は、南海トラフ巨大地震等の大規模地震を想定したもので、初となる試みもありました。

「通常の総合防災訓練では、伊豆市役所職員と消防団員が合わせて約500名。自主防災組織は約100団体・6,500名で、合計約7,000名の体制でございました。しかし今回は、コロナ禍でもあり、避難訓練、伝達訓練で規模を縮小して実施しましたが、中でも”避難所の運営訓練”は初めての試みとなります。こちらは地域の方々が避難所を運営する試みで、地域の方々にも一層、防災意識を高めていただけたかと思います。この取り組みは、さらに掘り下げる形で、今後も続けてゆく予定です」(防災訓練担当 沖出氏)

今回の総合防災訓練でもう1つ、初の試みとなったのが「Wi-Fiタブレットの活用」です。京セラは、防災シーンの使用における堅牢性(防水・防塵、耐落下・強化ガラス等)、コロナ禍の使用における衛生面(アルコール除菌が可能な耐薬品性等)を考慮し、Wi-Fiタブレット「KC-T304C」を9台貸与。伊豆市役所内に設けられた「災害対策本部」 にて、情報共有の手段として活用されました。

「災害対策本部は、災害時に関係各所が集まり、協議をする場です。特に伊豆市は豊かな海・山・河川に囲まれているため、地震に際しては津波・土砂災害・洪水など、様々な災害が予測されます。そして、災害の種別ごとに各部局の対応も大きく変わるため、それらの情報を確実に共有することが極めて重要なのです。 そこで今回は、災害対策本部内における円滑な情報共有のために、KC-T304Cを試験的に活用させていただきました」(伊東氏)

「タブレット×スマートAIボード」でスムーズな情報共有を実感
AIボードを囲むように机が配置された災害対策本部

「タブレット×スマートAIボード」でスムーズな情報共有を実感

有事の際、災害対策本部には、市長を中心とし各部局のメンバーが集まり、情報収集と協議が実施されます。今回の総合防災訓練では、災害対策本部に設置した大型のスマートAIボード(NHP社製)とリンクさせてWi-Fiタブレット「KC-T304C」を使用しました。

「災害対策本部には、スマートAIボードの他に2つの補助モニターが設置されていますが、画面が小さくて見づらいとの指摘も出ていたのです。そこで今回は、スマートAIボードに映し出した映像を、各タブレットにも映す形で使用しました。タブレットを活用したことで、各人の手元で確実に情報確認ができるようになりました」(伊東氏)

タブレット「KC-T304C」の活用の背景について語る伊東氏。
タブレット「KC-T304C」の活用の背景について語る伊東氏。

KC-T304Cの使用感についても「非の打ち所がなかった」と語ります。

「Wi-Fi接続から情報共有まで、チーム単位で問題なく使えたと感じています。スマートAIボードへ投影された情報は、きちんとリアルタイムに反映されました。文字だけでなくマップ共有などができる点もメリットです。追加で欲しい機能、改善して欲しい点などは特にありませんでした。私自身、日頃タブレットは使いませんが、KC-T304Cではスマートフォンと同じ操作性と利便性を実感したので、誰でも簡単に扱えるのではないでしょうか」(伊東氏)

実際に、KC-T304Cを使用した方々の評判も良く、さらなる活用に向けた意見も出されました。

「今回のタブレット活用はデモンストレーション的な意味合いも強かったですが、実際に試した方々からは”良かった”という意見が多かったと思います。そのため、災害時のみならず平時も含めて、タブレット活用に向けた様々な意見が出されました。例えば、スマートAIボードに書いた内容を各タブレットに映すだけでなく、タブレットに書き込んだ内容をスマートAIボードに映すことも本来は機能として有しています。今回、そのような使い方はしませんでしたが、双方向でのやり取りが可能な点も含め、活用の可能性の幅が広がり、本当に良かったなと感じています」 (伊東氏)

タブレット活用で見えた新たな課題と可能性
AIボードへ投影された情報は、きちんとリアルタイムにタブレットへと反映される。

タブレット活用で見えた新たな課題と可能性

タブレットの利便性を実感することができた、伊豆市の総合防災訓練。IT活用の活発な議論を生む有意義な結果となった一方、タブレット活用によって見えた、新たな課題もありました。

「大きな課題としてはまず、Wi-Fiの接続環境があげられます。今回の総合防災訓練では、伊豆市のフリーWi-Fiや、スマートAIボードからホットスポットとしてWi-Fiを使用しましたが、通信が安定せず、接続できる端末の台数が限られました。京セラ様からお借りしたタブレットを含む10台を接続するのが限界で、他のスマートフォンなどは接続できないケースもあったのです」(伊東氏)

現在、伊豆市の危機管理課で使用されているタブレットは3台。今後、タブレットの台数を増やす場合にはWi-Fi環境の拡充が必須となるでしょう。さらに、タブレットを本格的に活用していく場合の使用方法についても、課題が明確となりました。

「先ほども触れたように、タブレットを使用した方々から、活用に向けた様々な意見が出されました。その結果、単に視認性の補完のみならず『各部局に現在の状況を示したり、対応や報告状況を共有しつつ、各部局への指示・情報伝達が行えるような形にしたい』ということが、最終的な目標として出ました。タブレットを本格的に活用する際には、このような仕組み作りも課題となるかと思います」(伊東氏)

地域住民、そして観光客の安全を守り続けたいーー伊豆市の危機管理における今後の展望
伊豆市の防災対策の強化を推進していくと語る専門官の堀江氏

地域住民、そして観光客の安全を守り続けたいーー
伊豆市の危機管理における今後の展望

災害における様々なリスクを想定し、万全の対策を進める伊豆市。近年においては2つのトピックがあります。

「1つには、やはり新型コロナウイルスの感染拡大が挙げられます。こちらは今回の総合防災訓練においても意識した点です。感染拡大防止の観点から、避難所スペースを大きく取る必要が生じています。また、災害の種別によって避難が必要な方とそうでない方をハザードマップに基づいて確実に判断しつつ、ホテル・旅館・車中避難など、様々な避難方法をアナウンスしています」(伊東氏)

もう1つのトピックが津波対策で、津波避難タワーの運用が2024年より開始される予定です。

「伊豆市内には現在、津波避難タワーが3ヶ所ございます。そして2024年度より運用開始予定の津波避難タワーは、 日本で初となる”観光施設を兼ねた避難タワー”です。こちらは伊豆市土肥地区で建設が進められている鉄骨4階建ての施設で、通常は飲食店や展望スペースなどの観光施設として使用されますが、津波の際には1,200人余が収容可能な避難場所として活用されます」(伊東氏)

伊豆市は、IT活用をはじめ、新型コロナ対策、津波対策など、包括的な防災対策を積極的に推進し続けていきます。

「伊豆市では災害等の際には、市長をはじめとする本部会議を開催し、市民の安全を確保するような体制をとっております。また、伊豆市内は面積が大きく4地区にわかれており、災害時のライフラインの状況で情報伝達がスムーズにいかないことがあります。災害の規模に応じて避難所を開設しますが、避難所派遣の職員が被災することも考えられます。そのような事態に備え、今年度から区民による区民の避難所運営訓練を実施しています。
さらに、伊豆市は県内外から多くの観光交流客が来訪する観光地であり、発災時の災害情報の提供に努めるとともに、発災時には観光客の安全確保がされるよう、情報伝達・避難誘導・帰宅や滞留の支援などの安全対策を推進していきます。観光客の皆様には安心して伊豆市へお越しいただけるような防災対策の強化を推進していくとともに、伊豆市ではこれからも随時、訓練を実施していく予定ですので、ご協力をお願いいたします」(専門官の堀江氏)

京セラ担当者より
通信事業戦略部 法人ビジネスユニット 田中 宏幸

京セラ担当者より

今回の伊豆市様で使用いただいた「KC-T304C」は、堅牢性に加えて、法人様の利用に際して便利な機能を兼ね備えた、壊れにくく使いやすい業務用Wi-Fiタブレットです。

例えば、耐落下性能は、およそ75センチの落下に耐えることができます。これは、日本の一般的な机の高さ(75センチ)を基準としたものです。また、ディスプレイには強化ガラス「Dragontrail® PRO」を採用し、防水・防塵性能も備えています。

加えて、耐薬品性を備え、アルコール除菌シートでの手入れも可能なことから、衛生面での配慮が必要な場面でも安心してお使いいただけます。

伊豆市様の総合防災訓練に際しては、KC-T304Cの堅牢性が用途にマッチすると判断し、貸与させていただきました。 また、グローブ着用のまま、手や画面が濡れたままでも操作できる点も、防災時にはアドバンテージになるかと思います。オプションで、手書き用のペン(アクティブペン)もご用意しており、多様な文字入力にも対応しております。

KC-T304Cは、伊豆市様のような自治体はもちろん、様々な業種・職種の方に安心してお使いいただけます。キッティング(導入サポート)や長期保証など、京セラモバイルサポートというサービスも提供しており、お客様に安心して導入いただき、より長くお使いいただける取り組みを実施しております。このようなトータルサポートは当社の強みです。

また、私たち京セラの製品・サービスは、企画から開発、製造、アフターサービスまでを国内で一貫して行う「JAPAN MADE」で、日本メーカーならではの、お客様の理解に基づく製品やソリューションを、国内一貫体制で提供できるのも特長です。今回の記事に関心を持たれた方からのご連絡をお待ちしております。

伊豆市役所

伊豆市役所

所在地:静岡県伊豆市小立野38-2

事業内容(危機管理課):企画調整、消防・防災、新型コロナウイルス感染症対策

※スマートAIボードはNHPソリューション株式会社の登録商標です。
※Wi-Fi®はWi-Fi Allianceの登録商標です。
※Dragontrail®はAGC Inc.の登録商標です。

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