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導入事例

【公共産業用太陽光発電システム】
川崎重工業株式会社様 導入事例 

川崎重工業株式会社様 西神工場(兵庫県神戸市)

第2工場2021年2月設置|第3工場2023年3月設置

 

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2030年のカーボンニュートラル達成のため、社内ではじめてPPA※1モデルを導入。

兵庫県神戸市にて、ジェットエンジン・ガスタービン部品を製造している川崎重工業株式会社様 西神工場の第2工場及び第3工場の屋根に、PPAモデルを活用した、“初期投資ゼロ”※2での太陽光発電システムを導入いただきました。第2工場の屋根には、京セラ製太陽電池パネル(容量728kW)を敷設し、2021年2月1日に運転開始しました。第3工場の屋根には、京セラ製太陽電池パネル(容量は715.58kW)を敷設し、2023年3月13日に運転を開始しました。2つの工場を合わせて、年間約1,700,000kWh※3の電気を発電し、683.5t-CO2/年(二酸化炭素換算)※3のCO2削減を見込んでいます。

今回は、太陽光発電システムの導入をすすめてこられた川崎重工業株式会社の水野氏にお話を伺いました。

  • ※1 PPAとはPower Purchase Agreementの略称。PPAモデルは、第三者所有モデルや電力購 入契約モデル等と呼ばれる、企業や自治体が所有するビルの屋根や空地をPPA事業者に貸与し、 PPA事業者が初期投資ゼロで太陽光発電を設置する仕組み。企業や自治体は、初期投資ゼロで 太陽光発電を設置し、発電された電気をPPA事業者から購入。
  • ※2 契約形態によっては、別途費用がかかる場合があります。
  • ※3 シミュレーション値による。

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2つの工場をあわせて、メガソーラー発電所が稼働開始

システム概要
設置場所 第2工場 第3工場
設置容量 728.0kW 715.58kW
設置年月 2021年2月 2023年3月
導入形態 自家発サポートサービス


太陽光発電システムを導入したきっかけは?

川崎重工グループは、水素発電を軸とした自主的な取り組みに加え、省エネルギーのさらなる進展、再生可能エネルギー拡大、廃棄物発電の拡充により、日本国内において、2030年のカーボンニュートラルを宣言しています。また、海外を含めたグループ会社全体では、2050年のカーボンニュートラルを目指し、事業活動でのCO2排出量ゼロや資源の保全、リサイクル活動等を行っています。
どうやって2030年のカーボンニュートラルを達成するかというと、再生可能エネルギーつまり太陽光発電システムの導入と省エネルギーでできるだけCO2を削減する努力をして、残りは水素発電所をつくって、カーボンニュートラルを実現するという方針です。弊社の工場・事業所は古い建物が多い中、西神工場は比較的新しい工場で、屋根がフラットなため、太陽光発電システムの設置に適した条件がそろっていたこともあり、先行して導入が決まりました。

太陽光発電システム導入における期待や目的は?

導入の目的は、2030年のカーボンニュートラル達成のためですが、デマンド抑制にも期待をしていました。
太陽光発電システム導入の検討をしていた2019年頃、特に夏場はデマンドがギリギリで、工場内にはデマンドアラートが鳴り響くような日もありました。職場環境の悪化につながるため、夏の暑い日に空調を止めるわけにはいかず、電気使用量を抑えるため、試行錯誤を繰り返していました。
太陽光発電システムを導入することによるデマンド抑制効果で、夏場でもデマンドに余裕をもたせて、必要な電気を使用できることを期待していました。電気使用量の削減という意味では、太陽光発電システム設置による、遮熱効果も期待の一つでした。

検討から導入まではどれくらいの期間でしたか?

  • ※4

太陽光発電システムの導入検討がスタートしてからだと、4年程かかったと思います。導入検討を始めた2017年頃に、京セラさんからPPAモデルでの導入提案も受けて、初期投資不要で導入できることは魅力でした。しかし、2017年当時は、まだPPAモデルでの太陽光発電導入は一般的ではありませんでした。従来にない導入方法のため、社外にも事例が少なく、会社としても初めてのケースだったため、財務上の取り扱いを決めることに時間を要しました。その後、会計基準でもオフバランスが認められてからは、仕様を確定させ、補助金申請をすすめ、運転開始までは問題なくすすめることができました。

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●導入検討にかかる期間は、各社により異なります。

導入時の課題や苦労した点はありましたか?

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第2工場に導入する際に苦労した点は、社内調整です。PPAモデルで導入するという初めての試みだったため、会社として認められるかどうかという点について、会計基準の確認等に時間を要したところは、苦労した点でした。
第3工場は、第2工場の横展開のため、取り扱いの問題はクリアしていたのですが、第3工場が危険物取扱工場となっており、管轄の消防署との調整が必要だった点が苦労したところです。消防庁が発行しているガイドラインによれば、設置可能と判断し検討を進めていたのですが、管轄の消防署からの許可が得られなければ、設置することができません。消防署の担当部署に対して、安全性の根拠資料を提示する等して納得いただくことができ、許可を得ることができました。
また、契約期間の長さについて、20年間という長期間のリスクをどうやってリスクヘッジをするかという点については契約書の取り交わしの中で十分に議論を繰り返しました。

自己投資ではなく、PPAモデルを採用した理由は?

初期投資が必要なく、オフバランスでできるという点で、財務的に影響がないところが魅力的であったことがひとつです。また、PPAモデルは、電気料金を支払っていることと同じなので、社内でも説明がしやすい点もよかったです。従来は電力会社に使用した分の電気料金を支払っていましたが、いまは電気料金を2つの会社に払い分けているだけなので、気軽さがあります。確かに契約期間が20年間という長期契約である点は、懸念ではあるのですが、高額な初期投資であれば、何年で投資回収ができるのか、社内の説得にも時間を要しますが、その必要がなかったところも導入のハードルを下げることができたと思っています。

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導入されて1年半が経過されましたが、期待していた効果は得られましたか?

空調設備は、24時間365日稼働しているため、工場休日でもある程度の電気を使用していることから、工場全体の電力の約12%を太陽光発電システムで発電した電気で賄っています。平日昼間のピーク時は、約70%程度のカバー率です。太陽光発電システムで発電した電気を使い切れない日はなく、無駄にすることなく利用できています。
第2工場の導入から2年間の発電量の実績では、導入時にいただいたシミュレーション値よりも上回った発電量を記録しており、期待以上でした。CO2削減量もシミュレーション通りの削減効果を得られており、非常に満足しています。
導入時は、現在(取材当時2023年3月)のような電気代の高騰は予想もしていませんでしたので、情勢による電気代高騰にも対応できたことは、ラッキーだったと思っています。

弊社をお選びいただいた理由を教えてください

技術的な信頼があることが一番でした。工場運営において、電気はとても重要です。太陽光発電システムは、天候に左右されることもあり、電気としては不安定と言わざるを得ないため、工場を管理している部門からすれば、心配な点でした。しかし、導入検討時にこちらから問い合わせる細かい質問にも、丁寧に答えてくれました。他社さんとも比較検討していましたが、自社で太陽光パネルを作っていない他社さんの場合、こちらの質問に答えてもらえないこともありました。真摯に対応いただけたことが、心配を安心に変えることができたと思っています。
また、私自身、35年程前の新入社員の頃に千葉県の工場で勤務をしていたのですが、京セラさんの佐倉事業所に太陽光発電システムを見学に行かせていただいたことがありました。「すごいなぁ、将来はこんなシステムが住宅に設置されるのか」と、びっくりしたことを今でも覚えています。長きにわたって研究開発を進めてこられ、長期使用実績※4があることからも、京セラ製の太陽電池パネルは品質がよく、信頼できるメーカーだと思いました。

  • ※41984年に千葉県佐倉市に設立された佐倉ソーラーエネルギーセンターでの多結晶シリコン型太陽電池モジュールは、39年目の2023年の時点でも出力低下率17.2%(実績データをベースに、さらに出力特性の測定精度・ばらつきなど、外的要因も考慮した数値。京セラ調べ。)で、現在も稼働中。

太陽光発電システムを導入後、社内外の反響はありましたか?

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社内で初めてのPPAモデルでの導入だったため、他の事業所・工場へも西神工場の導入事例をモデルケースとして展開がはかれたと思っています。西神工場でも、第2工場への設置のあと、2年後の2023年に第3工場へも導入しましたし、別の事業所でも検討がすすむようになり、会社としてのカーボンニュートラル達成に向けて前進するきっかけになったと思っています。
また、西神工場は、兵庫県で一番大きい西神工業団地に所在しているのですが、同じ工業団地内の他企業さんから太陽光発電システムの導入について相談を受けたり、見学の要望を受けることもありました。

今後の展望があれば教えてください

西神工場では、7~8割の社員が車通勤をしているため、太陽光パネル付きのカーポートの導入や、今後は社有車をEV車へ置き換えることも検討しているので、太陽光発電システムで発電した電気をEV車に充電できるようにしていきたいと考えています。
また、屋根の強度の問題で載せられない他の工場屋根にも導入を進めたいので、軽量タイプの太陽光パネルや壁に設置できるようなフレキシブルな太陽光パネルがでてくることをとても期待しています。

(2023年3月 京セラにて取材)

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