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西郷隆盛の残した言葉を集めた「南洲翁遺訓」。その珠玉の思想をわかりやすくひもといた『人生の王道』より稲盛の解説をご紹介します。

【遺訓三〇条】の解説より 今の政治の世界を考えてみましょう。果たして、命も名誉も財産も何もいらないという人、「無私の精神」の政治家が何人いるでしょうか。政治に命を懸け、その挙句、資産の大半を失って、井戸と塀しか残らない、いわゆる「井戸塀政治家」はどこにいったのでしょうか。

人口減少、高齢化に伴う年金や医療保険制度の危機もあれば、子どもの学力低下や凶悪犯罪の増加など、政治には難題が山積しています。小手先ではなく、将来を見据えた根本的な施策が求められているとき、西郷のような無私の精神に富むリーダーが出なければ、次の時代に日本は生き延びることができません。
（「人生の王道」日経ＢＰ社刊 より引用）