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山と稲盛和夫

180812

昨日は「山の日」でした。鹿児島県出身の稲盛は雄大な桜島を見て育ちました。そんな稲盛と桜島にまつわるエピソードを紹介します。

夢を追いかけるロマンチックな人生を送りたい」と考え始めたのは、高校一年のときにさかのぼります。敗戦から三年ぐらいしかたっていないころでしたので、鹿児島市内は空襲のため、焼け野原になったままでした。私が通っていたのも、掘っ立て小屋みたいな高校です。鹿児島市内の海岸近くに建っていた高校で、真正面には桜島が噴煙を上げていました。

国語の先生がたいへんなロマンチストで、まだ教科書もあまりなかった時代でしたから、有名な作家の小説などを題材にして、毎日いろいろな話をしてくれました。その先生があるとき、「私は毎日恋をしています」と言い出したのです。何を言うのかと思いましたら、「自転車で桜島を見ながら学校に通っているけれども、私はその桜島に毎日恋をするのです。あの雄大な島影、そしてもくもくと噴き上がる噴煙。あの情熱に憧れています」と言われたのです。

食べることもままならない敗戦直後の焼け跡にあって、先生は明るくロマンチックに、すばらしい夢を描き、私たち生徒に夢と希望を与えてくれました。その先生の影響も受け、私も人生においてはなるべく楽しく、明るく、希望にあふれた夢を描くべきだと思い、毎日を過ごしてきたのです。