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心。人生を意のままにする力

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『心。』(サンマーク出版)から、稲盛の言葉をご紹介いたします。

<稲盛の言葉>
「カニは自分の甲羅に合わせて穴を掘る」といいますが、組織はそのリーダーの「器」以上のものにはならないものです。なぜなら、その生き方、考え方、また心に抱いている思いがそのまま、組織や集団のあり方を決めていくからです。

したがって、リーダーにもっとも大切な資質は何かと問われれば、私は迷いなく、それは〝心〟であると答える。あるいは人格、人間性といいかえてもよいかもしれません。
「心を高める、経営を伸ばす」ということを、私はずっと経営者の方々に向けていいつづけてきましたが、リーダーという立場にいる者はすべからく自らの心を磨き、人格を高める努力を続けていかなくてはならない。
大なり小なり集団を率い、人の上に立つ役割にある者であれば、何よりもまず美しく高邁(こうまい)な心をもつよう精進しなければならないのです。

リーダーの素質といえば、一般的には才能の豊かさ、知識の豊富さ、また経験や技量の有無などをあげることが多いでしょう。すなわち頭脳明晰で専門知識も豊富、弁も立つ。そうした素質をもつ人がリーダーとしてふさわしいというのが、世間一般の見方だろうと思います。
しかし、私は多弁な才覚や鋭敏な機知よりも、まるで岩のようにどっしりとして揺るがない、重厚な人格のほうを尊重する。そうした重厚さこそが、リーダーにもっとも必要な資質だと考えています。(P167-169に掲載)