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「行政改革推進審議会での成果」

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今からちょうど30年前の1991年2月から約1年半にわたり、稲盛は政府の行革審(第三次臨時行政改革推進審議会)における「世界の中の日本」部会長を務めました。この部会から実現した施策には私たちの生活の身近なところに関係するものもありました。当時の思いを稲盛は次のように述懐しています。

「部会では、従来の受け身の外交から脱却して、国際的な秩序づくりとその運営に積極的に参画していける日本の外交政策について議論した。
私は『世界の中で日本はどうあるべきか』という理念をじっくり詰めたいと思った。日本の外交には顔がない、といわれる。日本の国民が何を大切に思い、世界に対して何を主張し、何を貢献したいのか。日本は自由と民主主義を基本原理として国際社会のなかで信頼され尊敬される存在でなければならないというのが私の意見だ。

しかし、官庁出身の専門家の意見の大勢は『理念では外交はできない』。委員からのクレームも相次ぎ、思うような運営はできなかった。
しかし、国際化に対応する施策として、ODA大綱の策定や行政文書をB判からA判規格へ変更、パスポートの有効期限を5年から10年に延長、優良ドライバーの運転免許の有効期限を3年から5年に延長、自動車の6カ月点検の廃止など、ある程度の制度改正は実現した」(『ガキの自叙伝』日本経済新聞出版)

写真: 1993年 行革審としての最終答申を細川総理に提出(右端:稲盛)