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新入社員に贈る言葉 「してもらう」側から「してあげる」側へ

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4月となり、職場で新人を迎える立場の方も多いかと思われます。
学生と社会人の違いは何か。社会人として最も大切な心構えとは何か。
そのことについて、稲盛は書籍『生き方』の中で以下のように述べています。
京セラがまだ中小企業だったころ、私は入社式のときに、大卒の新入社員に対して次のような話をしたことがあります。

「キミたちは、いままで両親や社会のさまざまな人たちのお世話になって生きてきた。これからは社会人になるのだから、今度は社会に対してお返しをしていく番だ。社会人になってまで、人から何かをしてもらおうという気持ちでいてはダメだ。「してもらう」側から「してあげる」側へと、立場を180度変える必要があるのだ」

このような話をするきっかけとなったのは、京セラがまだ小さく、十分な福利厚生もなかったころのこと、入社して間もない大卒の新入社員たちが「もっとましな会社かと思っていたら、福利厚生もしっかりしていないし、待遇もよくない」などと文句をいってきたからです。

それに対して、私は「たしかにいまはまだこの会社は小さく、十分な設備も制度もない。しかし、これから会社を立派にして、十分な福利厚生もある企業にしていくのは、これからのキミたちの働きいかんだ。してもらうのではなく、自分でつくり上げるのだ」と叱りつけました。
他人から「してもらう」立場でいる人間は、足りないことばかりが目につき、不平不満ばかりを口にする。しかし、社会人になったら、「してあげる」側に立って、周囲に貢献していかなくてはならない。そのためには人生観、世界観を180度ひっくり返さなければならないと、諭したのです
(『生き方』サンマーク出版)

写真:1973年の入社式にて。この入社式で稲盛は新入社員に対し、これからは「してあげる」側に立ち、その自覚の上に仕事に臨み、情熱を燃やしてがんばってほしいと語った。