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稲盛和夫の好きな食べ物

210624

「稲盛和夫の好きな〇〇」、3回目となる今回は「すき焼き」です。

稲盛は京セラの創業期、大口受注の獲得時や、たいへんな苦労をして納品を済ませた節目などに、すき焼きコンパの場を設けて現場の社員たちをねぎらってきました。
「昭和41年4月、嬉しいニュースが飛び込んでくる。IBM社向けIC基板アルミナサブストレート(厚膜集積回路用基板)、2,500万個を受注することができたのだ。当時の京セラはまだ年商5億円でしかない。そこへ1億5,000万円の大口注文が入ったのだ。彼らが興奮したのも無理はない。(中略)『お祝いだぁ!』と奮発してコンパをすきやきにし、その後も八日市の飲み屋街に繰り出して喜びを爆発させた(『思い邪なし』毎日新聞出版)」

お祝いのすき焼きコンパ、それは「大家族主義」を掲げる企業にふさわしく、皆で喜びを分かち合い、志を一にする大切な機会でした。そんな稲盛の「すき焼き」原体験は、幼少期にまでさかのぼります。それは、家族で行った湯治の記憶の中にありました。

「お盆やお正月の長い休みには、一家で湯治にも行った。甲突川の上流にある河頭(こがしら)温泉がいつもの行き先で、食事に必ずすきやきが出たことを憶えている。これが楽しみで、『河頭へ行こう』という話が親から出るたびに、子どもたちは黄色い歓声を上げた。今ふり返ると、おそらく当時の両親にとっても、この湯治とすきやきはたまの贅沢だったに違いない。
(『ごてやん』小学館)」
家族で鍋を囲み、味わうことの喜びが、歓声とともに伝わってきますね。

写真: 京セラ滋賀工場敷地でのすき焼きコンパ 1962年