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ピアノの日にちなみ -地元学校へのピアノ贈呈-

明日、7月6日はピアノの日といわれています。1823年のこの日、医師シーボルトが日本に初めてピアノを持ち込んだ日に由来しています。
京セラは創立10周年にあたる1969年、滋賀工場のある蒲生町の小中学校3校にグランドピアノ3台と、奨学基金として蒲生町へ100万円を贈呈しました。贈呈式では、当時年間売上19億円の中小企業であった京セラが寄付を行った背景や、子どもたちにピアノを贈ることで伝えたかった思いについて、稲盛は次のように述べています。
「創業時の食うや食わずの状況から、今日ようやく会社として仲間入りできる状態になることができましたが、これも我々だけの力でなく、温かく私たちを支援していただいた地元、地域の社会のご恩であると深く感謝しております。そのご恩に報いるため、このささやかなる寄付を思いつきました。(中略)仕事で苦しいとき、淋しいとき、一人野原に出て、故郷で幼い頃習った歌を歌って自分を励まして、ともすれば崩れんとする気持ちを励ましてがんばって参りました。皆さま方も、大きくなれば東京、大阪、あるいはアメリカ、ヨーロッパ等、世界各地で活躍されることと思いますが、このすばらしい、小中学校時代に習った歌を思い起こして、人のため、世のためになる人間としてご活躍くださるようお願い申し上げます。お世話になった人々への感謝やご恩返しは金額の問題ではなく、気持ちが大切です。いつも感謝の気持ちを忘れずに活躍してください」(1969年3月の京セラ社内報より)
そして2004年7月6日 (ピアノの日)には、かつてピアノが贈られた小学校内に地域交流施設が開館した記念として、2台目となるグランドピアノ寄贈が実現しました。こうした感謝の気持ちを伝える地域貢献は時代と共に形を変えながら京セラの伝統として息づき、現在まで脈々と受け継がれています。
写真: 贈呈先の学校で催された「ピアノ開き」で挨拶する稲盛(1969年)