Facebookアーカイブ

シリーズ「稲盛和夫の著書」 第1回『心を高める、経営を伸ばす』

20221031.jpg

稲盛が著した書籍は55冊に上ります。今月からシリーズで代表的な著作を紹介していきます。
第1回は、初の著書『心を高める、経営を伸ばす』(1989年5月 PHP研究所)です。この本は当初、京セラの社内テキストとして企画されたもので、社内出版を相談したPHP研究所から、「ぜひ世に問うべき」との強い要請を受け、稲盛が初めて世に問うたものでした。

過去の発言録から、自らの代表的な考え方を煩悩の数と同じ108項目選び、実践シーンごとにまとめ直したものです。後に『京セラフィロソフィ手帳』が、これにならい編纂されたことは、あまり知られていない事実です。

発刊は稲盛が、いまだ経営の第一線に立っている頃で、いわば経営者の「余技」として上梓したものでしたが、人々の心を捉え、たちまちベストセラーとなりました。

この本の帯には、松下幸之助氏が推薦文を寄せて下さいました。よほどでない限りいただけないものだけに、稲盛もたいへん喜んでいたところ、書籍発売直前にお亡くなりになりました。最後の推薦文を頂戴したわけですが、経営における哲学の重要性、経営者の人格錬磨を説いた二人の経営者が、あたかもバトンをつなぐかのように、その意志を継承した、記念すべき書籍です。

【松下幸之助氏 推薦のことば】
日頃すぐれた経営者のお一人として敬意を表している稲盛さんがさまざまな体験の中から自ら感得された人生観、経営観をこのたび一冊の本にまとめられた。
全編を通じ、"人間に与えられた無限の能力を信じ、その能力を存分に発揮して充実した人生を味わおう"と訴えかけておられるが、その情熱と信念には心打たれるものがあった。
特に若い人たちに是非ご一読いただきたい書である。