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寄稿㉟「すべての仕事は人を磨く」(『朝日新聞』「朝日求人」2002年1月6日)

4月は新入社員や異動者の方をはじめ、新しい環境で仕事をスタートされる方が多い季節です。稲盛は朝日新聞からの依頼を受け、「朝日求人」欄に4回にわたり、「すべての仕事は人を磨く」(2004年1月6日~1月26日)と題して、自らの仕事観を語っています。その中で、挫折続きだった青年時代や赤字続きだった最初の就職先である松風工業での体験を踏まえながら、次のように試練を乗り越え、ゼロからスタートすることの大切さを説いています。
「仕事につくというのは、どのような状況であっても、あなた自身を試すことになるものです。何かの事情で前職を辞し、次の新しい仕事を探さなければならないという時、自分の過去のキャリアや実績にしがみつくのはやめなければなりません。自分をあまりにも大事にし、自分のプライドにこだわりすぎる人がいますが、そうではなくて、まず自分を無にするところからすべてを始めなければなりません。
大企業に20年も勤めていたから中小企業に行くわけにはいかないとか、自分の経験は大きなところでしか生かせないなどと考えるのは、あまりにも頑なです。人生は波瀾万丈、変転極まりないのですから、そういう境遇になればそれなりにもう一度ゼロから巻きなおして一生懸命やっていくべきでしょう。(中略)何もかもが順調に右肩上がりに階段を上って行く仕事などないのだと思ってください。成功している時は慢心せずそれを次にどうつなげるのかという試練であり、災難になったら人を恨まず体裁も常識も打ち捨てて窮地を乗り切る試練だと考える。人はそうやって自分を磨いていくしかないのですね」