経営

キャッシュベース経営の原則

近代会計学は、収入や支出を発生させる事実が起きたときに、収益や費用があったものとして計算する「発生主義」に基づいています。

しかし、この方法をとると、決算書にあらわされる損益の数字の動きと、実際のキャッシュの動きとが直結しなくなり、経営者にとって、経営の実態がわかりにくいものとなってしまいます。経営のベースとなるのは、あくまでも手元のキャッシュであるため、会計上の利益が出ているからと安心するのではなく、「もうかったお金は、どこにあるのか」ということを常に考え、手元のキャッシュを増やすような経営をしていかなければなりません。

そのようにキャッシュベース経営に努め、手元に潤沢な資金を持つことで、企業を安定させるとともに、新たなビジネスチャンスが訪れたとき、思い切った手を打つことができ、新規事業を優位な立場で進めることができるようになります。

「稲盛和夫経営哲学大連報告会(2011年10月23日)」要旨