成功を持続するために欲望を抑える

私は昭和34年(1959年)に京セラを創業しました。以来、今日まで仕事をしてきましたが、そのなかで、多くの経営者の盛衰を見てきました。会社を始めたころは、辛酸をなめて苦労しながらも、会社を立派にしようと思って一生懸命に頑張るものです。しかし、会社が立派になってしまうと、成功が没落の引き金を引いてしまう。
それは、人間にはつい私ごとに流れていく性(さが)があるためなのです。そのような性があることを承知の上で、成功が没落につながらないように、欲望を抑え、節度を保つということを全うすることが、人の上に立つ人間の責任です。
「盛和塾 関東地区塾長例会(2007年12月11日)」要旨