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「人は何のために生きるのか」愛媛市民フォーラム(2014年8月6日) 「人は何のために生きるのか」愛媛市民フォーラム(2014年8月6日)

善きことを思い、善きことを行えば、人生は好転する

私は必死に経営する中で、「人生とはどうなっているのか」ということを考え続けてきました。私たちは定められた運命という縦糸を伝って人生を生きていく。同時に、その人生の中で善きことを思い、善きことを行えば、よい結果が生まれ、悪いことを思い、悪いことを行えば、悪い結果が生まれるという「因果の法則」が横糸として走っているのではないかと考えるようになりました。

私が「因果の法則」を信じるようになったのは、安岡正篤さんの『運命と立命』という本との出合いがきっかけでした。その本には、中国明代の袁了凡という人が書いた『陰隲録』の内容が紹介されています。袁了凡さんはまだ袁学海という名前だった幼い頃、易を極めたある白髪の老人から、将来科挙の試験に合格し、若くして地方の長官になること、結婚はするが子供は生まれず、53歳で天寿を全うする運命になっていることを教えられます。そして、何歳の時に何の試験を受けて何人中何番で受かるかということまで含めて、老人が話した通りの人生を辿っていきます。その後、長官として地方に赴任した学海さんは、有名な雲谷禅師の禅寺を訪ねます。運命の命ずるままに淡々と人生をまっとうしようとしている学海さんを、雲谷禅師は厳しく叱り、運命は変えられるということ、つまり善きことを思い、善きことを行えば、運命はよき方向へと変わっていくということを説きます。素直だった学海さんは、その後、妻と共に少しでも善いことを思い、善いことをしようと決意します。その結果、生まれてこないと言われていた息子が生まれ、53歳が寿命だと言われていたにもかかわらず、70歳を過ぎても元気に生きていました。

一寸先が見えない人生を、どうして渡っていけばよいのか悩んでいたときにこの本に出合った私は、善いことを思い、善いことを実行するような人生を送っていこうと思うようになりました。

「人は何のために生きるのか」愛媛市民フォーラム(2014年8月6日)要旨

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