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スペシャルコンテンツ#04 通信×KIDS

スペシャルコンテンツ#04
通信×KIDS

ご意見・ご感想
京セラ 通信の30年 #04 愛情は「可視化」できるか

子育てをもっと楽しく。キーワードは家族時間の「見える化」

KYOCERA | NewsPicks Brand Design

 京セラの携帯通信機器事業が、30周年を迎えた。 1989年に携帯電話端末の第一号機を市場に投入して以来、京セラは「ユーザーのさまざまなニーズに応えること」を掲げ、ビジネスに取り組んできた。

 連載第4回は、京セラが長年取り組んできたキッズ・ファミリー向けの通信事業にフォーカス。

 同事業を担当する京セラ三輪智章氏と、家族向け写真共有アプリ「家族アルバム みてね」を運営するミクシィ笠原健治氏の対談から、家族×テクノロジーの未来を予想する。

「子育て×IT」が持つ可能性

三輪 私たち京セラは、1998年に日本ではじめてお子さま向けの携帯端末(PHS)『安心だフォン』をリリースし、20年以上にわたってキッズやファミリー向けの通信プロダクトを展開してきました。

京セラ キッズ向け端末の歩み(一部抜粋) 京セラ キッズ向け端末の歩み(一部抜粋)

 開発以前から、「子どもの現在地を確認したい」という、保護者からの強いニーズは感じていました。

 その後に発売した『ぴぴっとフォン』以後、3Gの通信規格が確立。GPS(位置情報測定システム)をインフラとして整備するのと同時期に、家族の安心・安全をサポートする端末「キッズケータイ」のローンチに至ったのです。

京セラ 通信機器事業本部 通信事業戦略部 FP-KIDS ビジネスユニット責任者 三輪智章

笠原 僕たちが「mixi」をローンチしたのが2004年なので、かなり近い時期ですね。

その後、複数のITプロダクトを開発してきましたが、いま注力しているのが子どもの写真を共有する「家族アルバム みてね」(以下、みてね)です。2015年にサービスをローンチし、5年ほどが経ちます。

ミクシィ 取締役会長 Vantageスタジオ本部長 笠原健治

三輪 私も「みてね」のヘビーユーザーなんです。

 自分で撮った写真をアルバムに記録したり、妻や実家の父母と子どもの動画を共有したり。さらに、毎月フォトアルバムを注文するなど、楽しんで利用しています。

笠原 それは嬉しいですね。実は僕がこのサービスを作ったきっかけも、自分の体験が大きいんです。

 子どもが生まれてから、こんなにもたくさんの写真や動画を撮るんだな、と我が事ながら驚いて。ただ、当時はそうした写真や動画をきれいに整理し、共有するためのベストなサービスが見当たらなかった。

 そこで、「子どもの成長記録」に特化したアルバムサービス「みてね」を着想したんです。

「みてね」では、子どもの写真を家族間のみで共有できる。また、共有した写真はフォトブックや写真プリントとして注文が可能。

三輪 キッズ・ファミリー向け事業を担当しているので、日頃「みてね」のサービスにはビジネスとしてもリスペクトがあります。普段、どのような思いで事業を作られているのですか。

笠原 一番は、シンプルに「子育てがもっと楽しくなればいいな」という気持ちです。

 子どもの可愛い写真とか、クスっと笑える動画を、家族とシェアできる環境を作りたい。さらに、写真を3年後や5年後に見返した時に、「楽しかった思い出」が蘇ってくる。そんな空間にできたら幸せだなと思います。

 もう一つは、孤独感を抱きながら子どもを育てる「孤育て」の解消をサポートしたい、という思い。クローズドで近況報告ができる「みてね」を使っていただくことで、家族同士の絆を深め、ワンオペで頑張っている親御さんの孤独感を少しでも解消できればな、と。

三輪 私たちは、これまで「見守り」の文脈で子育てをサポートしてきましたが、笠原さんは「記憶や感情のシェア」という方法で行われてきたんですね。

 私たちも、家族の繋がりを通信やインターネットの力でサポートしてきたので、その思いには共感します。

 孤育ての話も然り、近年は共働き世帯が増加するなど、育児を取り巻く環境は日々変化している。だからこそ、テクノロジーで補完できる価値があるはずです。

コロナが向上させたのは「日常」の価値

笠原 直近の環境の変化でいうと、コロナを機に、ますます「日常」の価値が上がっているように感じます。

 現在、世界7カ国で「みてね」を展開していますが、特に欧米のロックダウン期間を中心に、国内外で写真のアップロード数や頻度が上昇しているんです。

 本来であれば、イベントの多い週末にアップが増えるはずですが、ロックダウンの、しかも平日に増えている。これは、「日常の写真」をシェアしている可能性が高いのでは、と。

三輪 それは興味深いデータですね。たしかに、私自身コロナで在宅時間が増え、日常の写真を撮る機会が増えたなと感じます。

 同時に、今までは出先で人に頼んで、子どもとの写真を撮ってもらっていましたが、日頃の生活シーンでは、親子揃って写真に写るチャンスが少なくなるな、とも。

iStock/Yagi-Studio

笠原 わかります。僕もそうです。

三輪 そこで、子どもと触れ合っている瞬間を自動的に判別・撮影してくれる「AIカメラ」を作りたいな、と思っているんですよ。

笠原 なるほど。実現したらニーズがありそうですよね。僕自身、四六時中家でカメラが回っていてくれたら、と思う瞬間があります。

 親子そろって写れるのもいいし、せっかくのシャッターチャンスを逃す心配もないですから。他にも着想されているプロダクトはあるのですか。

三輪 センシング(センサーを使って温度や振動などを計測する)技術を応用し、「子どもを抱っこしている時間」を可視化するプロダクトがあったら面白いかなと。

「みてね」が写真や動画で家族の時間を可視化し、蓄積していくのと同様に、センシング技術を用いて「身体的なふれあい」を見える化できたらいいな、と考えているんです。

iStock/kohei_hara

子どもが大きくなった後でも、その時の感情をアーカイブから思い起こせる。そんな仕組みが作れたら理想じゃないですか。

笠原 面白いですね。以前「みてね」の書き込みに、「どうして子育てはこんなに『上書き保存』なんだろう」という一言がありました。すごく理解できたし、印象的でしたね。

子どもって、「今」のインパクトが一番強いから、過去の記憶が薄れてしまうんですよ。

 僕も、子どもが小さい頃はたくさん抱っこしていたのですが、どれくらいの時間だったかというと、思い出せないのがちょっと悔しい(笑)。それが、データとして残せる未来が来るかもしれないんですね。

子どもたちを守り、親子関係を育む

三輪 こういったプロダクトの構想は個人的な考えの部分も多くて、まさに社内でディスカッションしている最中なんです。

 これまで京セラは、キッズ向け携帯電話を筆頭に、子どもたちの安心・安全を守るプロダクトを開発してきました。

 ですが、今後もこのコンセプトだけを続けていくべきか、刷新するべきか。その岐路に立っているとも言えます。

 一方は、今まで通り、「防犯性」をより高めていくべきだという意見。もう一方は、お話ししたAIカメラやセンシング技術の応用のように、「家族の時間」「親子のふれあい」といったソフト面をサポートしていく方向性です。

 前者の防犯性は、20年培ってきた事業のコアですし、IoTの発展とともに私たちのプロダクトも多様化してきましたので、今後も継続的に事業展開していく考えです。

 ですが、「親の安心感」って、防犯性を高めていくだけでは成立しない部分もある、という想いもあって。

 もっと家族間の絆を深めたり、子育てをする親御さんの気持ちを豊かにしたり。そういったビジネスに力点を置いてはどうか、と提案しているんです。

笠原 弊社は、今年の春に子ども用GPSサービス「みてねみまもりGPS」というプロダクトをリリースする予定です。

 GPSと聞くと「防犯」の要素が強いように感じるかもしれませんが、自分の目の届かない瞬間にも子どもたちの動きを「見守れる」という意味では、「みてね」を使うモチベーションにも近いんじゃないかと思っています。

三輪 たしかにそうですね。

笠原 ですから、京セラさんが子どもたちの安全を守りながら、親の気持ちに寄り添うプロダクトを作ろうとしている方向性には、とても共感します。

 「みてね」も、アルバム機能やフォトブックに加えて、今ご紹介したGPSや年賀状、子どもへのプレゼントを購入できるECギフトサービスまで。子どもの成長に合わせて、必要となるものを幅広く提供しています。

「みてね」で作成したフォトブックの様子。

 最近は、デジタルフォトフレームの要望をよくユーザーさんからいただきますね。

三輪 デジタルフォトフレームやスマホのように、生活の身近な場所で、いつでも子どもとの記憶を振り返れるのは理想ですね。私も、ぜひデスクに置きたいです(笑)。

 笠原さんとお話ししていて、改めて「親子の関係性」をエンパワメントするようなビジネスを作っていきたいと思いました。

家族の「幸せ」のためにITに何ができるか

笠原 僕自身、子どもの写真を見ることが励みになったり、みてねでの家族同士のコミュニケーションを通して家族の絆が深まるような感覚を覚えたりするんです。

 プロダクトやサービスを通じて、ユーザーさんのこうした場面のお手伝いができるのが、このビジネスの面白いところですね。

三輪 私たちのチームも、まさに子育て世代のメンバーが多いのですが、自分の「親」としての視点が生かせるのも、モチベーションになりますよね。

 20年以上通信ビジネスに携わっていますが、自分らしい働き方や、子育てのあり方といったライフスタイルが多様化していくなかで、通信やITテクノロジーはまだまだ大きな可能性を秘めていると思います。

笠原 ええ。そして、ITサービスの魅力的なポイントは、時間・場所の制約を超えられることですよね。僕も20年以上インターネットビジネスに取り組んでいますが、ここにきてその強みを再認識しています。

 写真や動画を残すことで、子育ての記憶やその時の感情を、時間を超えてアーカイブできる。

 テクノロジーが進化していけば、たとえばホログラムを用いて、物理的には一緒にいなくても、バーチャルで子どもと時間を共有できるかもしれない。

 リモートで働けるようになって、場所を転々としながら子育てをすることもできるでしょう。

 こうした技術の進歩は、今後の「家族のあり方」を考える上で後押しになると思いますし、僕たちも積極的に活用していきたいです。

三輪 全く同感です。通信事業に携わる者としては、そうしたオンライン環境を実現する「インフラ」を整備し続けることも、同時に推し進めていく必要があると考えています。

 そして、笠原さんのように家族に向けたサービスやプロダクトを手掛ける方々とも連携しながら、もっと子育てが楽しくなる社会を作っていきたい。

 これからも、自分の「親」としての視点を大切にしながら、通信を起点に「家族の幸せ」に寄り添っていきます。

(制作:NewsPicks Brand Design 取材・文:高橋智香 編集:大高志帆 デザイン:堤香菜)

発表会動画

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