電波強度が低下しない
小型・薄型の新型アンテナ
「Amcenna(アムセナ)」
注目ポイント

一般的なアンテナとは一線を画し、水や金属の近くに設置しても電波強度が維持できる新アンテナ。
この画期的で理想的な特性を得るために、従来の延長線ではなく新たな発想へと転換して開発を進めた、開発者の“気づき”と“挑戦”が、開発の成功へと導きました。
IoTに不可欠なアンテナ

ますますひろがるIoT社会。その普及に不可欠なのが、さまざまなデータを通信するアンテナです。
これからのアンテナには、金属上や水の近くで使えるなど、設置場所を選ばない小型・薄型のアンテナが求められています。
小型化への挑戦

特性を低下させないアンテナをつくるために着目したのが、自然界に存在しない性質を持つ人工磁気壁・AMC。しかし、従来の発想では、AMCの大きさが8cm角も必要であり、アンテナの小型化には難しい課題がありました。
そこで、三面鏡からヒントを得て、AMCの小さなユニットを仮想的に並んでいるように見せる独自構造によって、従来よりも1/60※となる小型化に成功しました。
※AMCを用いたアンテナ(京セラ試作)とAmcennaの比較
薄型化への挑戦

アンテナと、金属もしくは水との遮断壁としてAMCを使うという従来の発想では、薄型化に限界があります。
そこで、アンテナの放射パターンを分析して、AMC自体にアンテナ機能を持たせることに成功。従来より厚さ1/2※となる1.9mmの薄型化を実現しました。
※AMCを用いたアンテナ(京セラ試作)とAmcennaの比較
IoT社会の実現を加速させる新デバイスへの期待

工場の機械設備に搭載することで故障予知を可能にするなど、インフラ、農業ほか、あらゆるものがIoTによってつながることで、人々がより快適でより豊かな社会が実現します。
今後も先進テクノロジーで社会に貢献していきます。
京セラ株式会社 研究開発本部インフォメーションシステム研究開発部
連絡先:is4-1@kyocera.jp