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コラム

【法人向け】
太陽光発電導入が節税対策になる仕組みと基礎知識 
(自己投資の場合)

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クリーンエネルギーを代表する太陽光発電は、事業活動における環境への配慮という観点から、国内の民間企業でも導入が進んでいます。
政府がクリーンエネルギーの普及を目指して取り組みを進めている背景から、太陽光発電を導入する事業者は、さまざまな税制優遇を受けられるケースがあります。制度を上手に活用すれば、太陽光発電への投資回収を早められる可能性もあります。
本記事では、自己投資で太陽光発電を導入する場合の節税対策をご紹介いたします。

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買取制度・融資や税制など

自家消費型の太陽光発電とは?仕組みや導入するメリット、注意点

 

【目次】

節税対策に取り組む前に抑えておきたい太陽光発電の基礎知識

初めに、企業が導入している太陽光発電に関する基礎知識をご紹介します。
太陽光発電にかかる税金は、事業用と個人用で扱いが異なるため、あらかじめご確認ください。

 

太陽光発電の種類

企業が導入する太陽光発電(産業用太陽光発電)には、主に「自家消費型」「全量売電型」の2つの種類があります。

自家消費型の太陽光発電
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自家消費型の太陽光発電とは、太陽光により発電した電気を工場や店舗などの自社設備で使用するタイプの太陽光発電システムのことです。電力会社に電気を売らずに自社で電気を使用するため、電気料金を削減できるのが特長です。

自家消費型の太陽光発電とは?仕組みや導入するメリット、注意点

 

全量売電型の太陽光発電
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全量売電型の太陽光発電とは、太陽光により発電した電気を全て電力会社に売り、収益を得るタイプの太陽光発電システムのことです。作った電気は自社設備で使用せず全て売電するため、自社の工場や店舗などに必要な電気は、電力会社に電気代を支払って購入することになります。

太陽光発電にかかる税金

企業が導入される太陽光発電に関係する税金には、「法人税」 「固定資産税」 「償却資産税」 などがあります。

法人税(個人事業主の場合は所得税)

法人税とは、企業が年間に得た所得に対して一定の割合で課される税金のことです。個人事業主の事業所得の場合は所得税となります。企業が全量売電型の太陽光発電を導入した場合、売電収入から必要経費を差し引いた金額が所得となり、法人税や所得税の金額にも影響があります。
一方で、自家消費型の太陽光発電では電気を売却しないので、売電に関する法人税や所得税などは発生しません。

固定資産税

企業が、太陽光発電設備を設置する土地を購入する場合は、土地にかかる固定資産税の支払いも必要となります。その際、太陽光パネルが家屋以外の場所に設置されていると、これらの設備は建物とは見なされないため、設置されている土地は固定資産税において「雑種地」として処理されます。宅地とは異なる点に注意が必要です。

償却資産税

事業用の太陽光発電設備は、固定資産税の償却資産と見なされて課税対象となります。法人の場合は、自家消費型と全量売電型いずれの場合であっても、発電設備の規模にかかわらず償却資産としての申告が必須です。
なお、太陽光発電設備のうち太陽光パネルと架台に関しては、屋根材として家屋と一体になっている場合(パネルが屋根材になっているもの)は償却資産ではなく「家屋」と見なされ、固定資産税が課されます。

 

自家消費型の太陽光発電の導入が節税対策になる仕組み

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ここでは自家消費型の節税対策を解説します。
自家消費型の太陽光発電の設備導入では、以下の節税対策の採用を検討することができます。ぜひ活用をご検討ください。

 

税額控除を受けられる場合がある

「中小企業経営強化税制」上の中小企業に該当する場合は、自家消費型の太陽光発電を選択することで税額控除を受けられます。中小企業経営強化税制とは、中小企業の経営力を向上させる目的で、中小企業庁による支援措置を受けられる制度のことです。自家消費型の太陽光発電を導入した場合は、設備の取得にかかった費用のうち、一定の割合が法人税額から控除されます。各種手続きが必要ですので、検討する場合は条件などを十分ご確認ください。

控除される割合は企業の規模などの条件によって異なり、資本金3,000万円以下の場合は10%、資本金3,000万円超の場合は7%が法人税額から控除されます。なお、控除の限度額は法人税全体の20%で、20%を超えてしまうケースでは翌年に繰り越すことも可能です。

対象年度は現行法では2023年3月末までですが、改正によって2025年3月末までの延長が決定しています。

 

設備の設置費を経費計上できる場合がある

通常、企業が設備投資を行ったら耐用年数に応じて減価償却されますが、自家消費型の太陽光発電設備なら、費用を初年度にまとめて経費として計上できる場合があります。前述の中小企業経営強化税制では、税額控除のほかに太陽光発電設備の即時償却も選択できます。即時償却を選んだ場合には、自家消費型の太陽光発電設備を購入した年に、設備費用の全額を一括で損金計上できるのが魅力です。設備投資を行った年には、大きな節税効果が期待できます。

 

税制優遇制度を利用できる場合がある

対象設備である自家消費型の太陽光発電を導入した企業に対して、さまざまな税制優遇制度が用意されています。例として挙げられるのは、中小企業の生産性向上を目的とした「中小企業投資促進税制」や、民間企業のCO2排出削減を経済産業省が支援する「カーボンニュートラルに向けた投資促進税制」などです。中小企業投資促進税制の対象として、設備投資を行った中小企業が該当します。カーボンニュートラルに向けた投資促進税制では、省エネや脱炭素化に関する設備を導入した企業が対象です。
これらの税制優遇制度では、自家消費型の太陽光発電を導入した企業に対して、特別償却や税額控除などの優遇措置が適用される場合があります。条件をご確認いただき、税制優遇制度のご利用をご検討してはいかがでしょうか。制度によっては併用ができない場合もありますので、ご注意ください。

 

全量売電型の太陽光発電の導入が節税対策になる仕組み

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全量売電型の太陽光発電を採用した場合、以下の方法で税金対策が可能です。さらには、発電した電気の売上で利益をあげられる可能性もあるため、ぜひ導入をご検討ください。

 

維持管理費と減価償却費を経費計上できる場合がある

太陽光発電投資にかかった費用のほか、日々のメンテナンスや修理などにかかる維持管理費は、経費計上が可能な場合があります。屋外に設置されるソーラーパネルなどの設備は、自然災害などで破損するおそれがあることから、定期的な保守点検が欠かせません。導入後はこうしたメンテナンス費用や修理で発生する費用も含めて、節税につなげられる場合もあります。

太陽光発電設備には耐用年数があり、資産価値は毎年落ちていくことになります。法定耐用年数は17年と定められているので、購入から17年は減価償却費として経費計上することが可能です。減価償却費の計算方法には「定額法」と「定率法」の2種類があります。

定額法

定額法は、毎年同額を償却していく方法です。太陽光発電の購入にかかった費用に、定額法償却率をかけることで計算します。法定耐用年数が17年の場合、定額法償却率は0.059となるので、「太陽光発電設備の購入金額×0.059」を経費として計上します。定額法は長期的な損益予測がしやすく、簡単に管理しやすいのが特長です。初年度の売電利益が少ないケースにも適しています。
建物以外を定額法で償却する場合は、選定の届出が必要になりますので条件をご確認ください。

定率法

定率法は、毎年に一定割合で償却していく方法です。初年度は、太陽光発電の購入にかかった費用に定率償却率をかけることで計算します。翌年度以降は、購入にかかった費用から前年度までの減価償却費を差し引き、定率償却率をかけることで計算します。法定耐用年数が17年の場合、定率償却率は0.118です。

定率法で初年度に計上するのは「太陽光発電設備の購入金額×0.118」、翌年度以降に計上するのは「(太陽光発電設備の購入金額-前年度までの減価償却費)×0.118」となります。定額法と比べて初年度に多くの金額を償却できるので、初年度に大きな売電利益をあげたケースでよく用いられる方法です。

 

固定価格買取制度(FIT制度)によって一定期間安定した売電が見込める

太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギーで発電した電気を売る際は、「固定価格買取制度(FIT制度)」が用意されています。FIT制度により、一定の期間にわたり一定の買取額で電気を売れる仕組みとなっていることがメリットです。2022年度時点の制度では、10kW以上の太陽光発電で作られた電気について20年間にわたり価格表に記載された価格での買い取りが決められています。制度を利用する事業者は、経済産業省資源エネルギー庁への申請手続きを行い、認定を受けることが必要です。

 

消費税申告を行うことで還付が受けられる場合がある

全量売電型の太陽光発電設備に投資した場合、消費税申告を行うことで還付が受けられる可能性があります。具体的には、太陽光発電の購入やメンテナンスの際に支払った消費税が、電力会社へ電気を売った際に生じる消費税を上回るとき、その差額が還付されるという内容です。
該当するケースとして、太陽光発電の初期費用で多くの負担が生じた場合や、売電の利益が少ない場合などが挙げられます。事業内容によっては還付が受けられないケースもありますのでご注意ください。

 

上手な節税で太陽光発電をお得にご活用ください

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太陽光発電の導入を検討される企業様へ向けて、太陽光発電を活用した税金対策をお伝えしました。太陽光発電には、自家消費型全量売電型の種類があり、それぞれ法人の節税で利用できる制度に違いがあります。

自家消費型の太陽光発電では、中小企業庁の「中小企業経営強化税制」をはじめとした節税制度が用意されています。

全量売電型では太陽光発電に関する費用を経費計上して節税につなげるとともに、固定価格買取制度(FIT制度)で安定した売電が見込める点も魅力です。

法人向けの太陽光発電・蓄電池に関するお問い合わせは、お気軽に京セラまでご相談ください。

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