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西郷南洲の教えに学ぶ
西郷隆盛の残した言葉を集めた「南洲翁遺訓」。その珠玉の思想をわかりやすくひもといた『人生の王道』より国の財政に関する稲盛の解説をご紹介します。
日本の財政は今、破綻の危機に瀕しています。地方を含めた「国の借金」は1,000兆円を超え、なおも増え続けています。もはや過去の延長線上には未来はないといっていいでしょう。本気で改革にとりくまなければ、近い将来、この国は本当にとんでもないことになってしまいます。
財政再建に携わる方々に反すうしていただきたい遺訓があります。
【遺訓一三条】
国が財政的に困窮したとき、どうしても税を取り立てて財政を立て直していこうとします。これはどの国でもどの時代でも行われていることですが、西郷は「租税の定制を確守し」といっています。税金は、しょっちゅう上げたり下げたり変えていくようなものであってはいけない。国と地方自治体の活動を維持するために必要な費用から算出して定めた税制度を、単に財政が逼迫(ひっぱく)したからといって、みだりに変えたりするものではない、といっているわけです。
(『人生の王道』より)