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稲盛和夫の誕生日

190129

明日、1月30日は稲盛の誕生日です。

京セラでは、従業員の誕生日を職場のみんなで祝う風土があります。それは稲盛の発案で始まったものでしたが、そこにはどのような思いが込められていたのでしょうか。稲盛は当時の様子を次のように語っています。

「小さなケーキをひとつ買ってきて、私も入って定時後にケーキをつつき、コーヒーを飲みながら話をする。そういう場で、『誕生日おめでとう』と言ってあげれば、コミュニケーションが深まるわけです。幹部社員も含めた従業員が何人か集まって、せいぜい千円もあれば足りる費用で誕生会を開いてあげる。そんなわずかの費用でも、そういう思いやる心があると、従業員の気持ちがほぐれていきます。

従業員に親兄弟と同じような愛情を私が注ごうと思っていても、それがただ単に給与や賞与、昇給といった金銭的な側面だけであったのでは、他社よりも高い給与や賞与を出せない場合には、『私は従業員を大事にします』と言ってみたところで、『口だけじゃないか』と言われます。だから、『給料もボーナスも並ぐらいしかもらっていない、いや並以下かもしれないけれども、うちの経営者は我々のことを考えてくれている』という信頼がなければなりません。そういう信頼関係を築くために、ささやかな誕生会などを活用しようと考えたのです」
(『機関誌[盛和塾]119号』より)

現在では従業員の誕生日に会社からセラミックキッチングッズなど自社製品のプレゼントと職場仲間からのメッセージカードを贈る形に変わりましたが、稲盛の思いは連綿と受け継がれています。