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稲盛ライブラリーこの逸品「IBMサブストレート」

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稲盛ライブラリーの2Fに展示されている「IBMサブストレート」。創業から7年、中小企業の京セラを一気に飛躍させた画期的製品です。

昭和41年(1966)4月、フランスIBMから受注したこの製品は、IBMの戦略商品「システム360」に搭載されるもので、受注数量は2,500万個、金額にして1億4,900万円と、当時の京セラの年間売上の25%にも相当しました。

しかし、寸法精度±100分の0.5ミリを要求されるなど、当時の京セラの技術水準をはるかに超えた仕様であり、開発は困難を極めました。筆舌に尽くしがたい努力により、開発をクリアしても、毎月100万個ずつの生産が待ち受けていました。総勢80名が24時間3交替制で取り組み、稲盛(当時社長)も現場に泊まり込み、仕事の一切を指揮しました。

昭和43年(1968年)8月、ようやく納入完了、2年4カ月にわたる苦闘が終わりました。このIBMサブストレートの量産を通じ、京セラはファインセラミック業界での評価向上、売上拡大を果たしましたが、最大の成果は、稲盛の強力なリーダーシップのもと、高い目標に挑戦し達成していく組織風土が、京セラの現場に醸成されたことにあります。

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