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稲盛に関するエピソード「京セラ精神」

「京セラフィロソフィ」の原型と言われている「京セラ精神」。ここには、京セラに集う者はかくあるべし、と考える稲盛の思いがまとめられています。1966年に社長に就任し、京セラが中小企業から中堅企業へ脱皮していく道を指し示してきた稲盛が、翌年1月初めて実施した経営方針発表会の中で、全従業員が京セラ精神を体得することの重要性を述べています。
「どのようにすれば中堅企業への脱皮が図れるのでしょうか。私はそのことを正月から真剣に考えてきました。ここからは、その方法についてお話ししたいと思います。
まず、我々がこれから歩む中堅企業への道は、今まで我々がとってきたやり方とは次元を異にすると考えます。つまり、我々が今まで住んでいた世界と、中堅企業が住む世界とでは、大きく違うのではないかと考えます。今までは我々がとってきたやり方を足していけばよかったのですが、今度はそうした方法をかけ合わせるか、次元の違った考え方をしなければならないと考えます。
それには、外部から新しい人材を導入すると同時に、私は若いみなさんのたくましい創造力を期待したいと思います。従来のしきたりや方法にすべて疑問符を打ち、みなさんの力で新しいやり方を編み出していかなければ、この障害は乗り切れないのではないかと考えています。
同時に、中堅企業としてどうあるべきか、それぞれの職場で真剣に討議しなければならないと考えます。今まではただ努力をすればよかったのですが、今後は企業のあり方について、専門的な勉強を積極的にしなければならないと思います。
ただし、ひとつだけ変わらないものがあります。それは京セラ精神です。これは中堅企業になってもまったく変わりません。(中略)私も正月にまとめてみましたので、早急にみなさんに配布して、全社員に周知徹底していきたいと思っています。この京セラ精神だけは、中堅企業になろうと、大企業になろうと、我々が忘れることなく、今以上に身につけていかなければならないと思います。」(1967年1月16日 京セラ経営方針発表会スピーチより)
写真:1980年の経営方針発表での稲盛