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稲盛に関するエピソード「日本航空会長就任から10年。再建の後押しとなった思いの連鎖」

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2010年2月1日、稲盛は会社更生法の適用を申請した日本航空(JAL)の会長に就任しました。再建は不可能と報じられる中、「日本経済への影響」「残された社員の雇用を守ること」「国民の利便性の維持」という3つの大義を掲げて経験のない航空業界へ飛び込んだ稲盛。社員とともに努力を重ね、就任から2年8カ月で、日本航空は東証一部に再上場しました。その後は、現在に至るまで高い利益率を維持し続けています。

再建には社員の必死の努力がある一方で、大きな力となった存在もありました。それは、稲盛が36年続けてきた経営者の塾、盛和塾(2019年12月末にて閉塾)でした。
稲盛が日本航空の会長に就任すると聞くやいなや、塾生から「今こそ塾長に恩返しをする時だ」「塾長を応援しよう」という声が上がり、塾生による「JAL応援団 -盛和塾 JALを応援する55万人有志の会-」が結成されたのです。

その活動内容は、当時5,500人だった塾生がそれぞれ知り合い100人に声をかけて搭乗してもらい、その際に「応援カード」にメッセージを書いて現場社員に渡し、元気付けようというものでした。
或いは、5,500人が100回搭乗することで、55万回の搭乗、55万人の応援ということになり、稲盛にとって心強い応援となりました。

盛和塾生の稲盛に対する思いによって応援団が結成され、その応援団の思いが日本航空社員の心を揺さぶった。そんな「思い」の連鎖も、再生の後押しとなっていたのです。

写真
1枚目:2010年2月1日の記者会見での稲盛(左)
2枚目:実際に手渡された応援カード

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