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稲盛ライブラリーこの逸品「稲盛最初の著書『心を高める、経営を伸ばす』」

1989年5月、稲盛和夫初の著書『心を高める、経営を伸ばす』が発刊されました。
この本は、もともと京セラの社員教育のため、社内刊行物として企画されたものです。しかし、社内出版の相談を受けたPHP研究所が、「この哲学は京セラ社内だけでなく広く、一般の方々にも普及することがきわめて大きな意義をもつ」と考え、一般向けに販売いただくことになった次第です。
ありがたいことに、帯には松下幸之助さんの推薦の言葉をいただきました。発刊直後に亡くなられ、最後の推薦の辞となったことも、経営哲学の重要性を説いた経営者の系譜を継承するかのようで、象徴的なことではないでしょうか。
出版界では無名の稲盛でしたが、発売直後から増刷を重ね、ベストセラーに名を連ねることになりました(現在シリーズ累計約35万部)。本書の原稿作成に当たっては、稲盛が社内外からの求めに応じて行った講演や講話の速記録に自ら手を加えていきました。京セラを担う若い人たちの素晴らしい未来を願いつつ、多忙なスケジュールの中、寸暇を惜しんでまとめていきました。そんな稲盛の真摯な姿勢があったればこそ、多くの読者の心をとらえることができたのでしょう。
この初めての出版以来、現在では稲盛の著書は50冊を超え、グローバル発行部数は1,900万部に達しています。この大河にも例えうる稲盛の出版の歩みも、この『心を高める、経営を伸ばす』という一滴(一冊)に始まるのです。
写真:稲盛ライブラリー3階に展示されている著書『心を高める、経営を伸ばす』