Facebookアーカイブ

心。人生を意のままにする力⑫

200803

『心。』(サンマーク出版)から、稲盛の言葉をご紹介いたします。

<稲盛の言葉>
会社がまだ小さかったころから、私はよく一日の業務が終わったあとなどに、その場にいた幹部社員に集まってもらい、自分の考えや哲学、これから取り組もうとしている事業について、熱弁を振るったものでした。

会社の使命、事業に対する思い、仕事の意義、働くことの価値、人生をいかに生きるか――など内容は多岐にわたり、その場にいる部下が全員「ほんとうにわかった」という納得の表情を顔に浮かべるまで、一時間でも二時間でも話を続けました。
そんなことに時間を割くよりも、そのぶん仕事を進めたほうがよいという考え方もあるでしょう。しかし私は、まず全員で考え方を合わせることのほうに重きを置いてきました。(中略)
大きな目標をみなで成し遂げようと思えば、考え方をそろえて同じ思いを共有し、一丸となって取り組まなくてはならない。

そのためには、リーダーがあらゆる機会をとらえて、全身全霊、本気で自らの考えやめざすべき地平を部下たちに直接くり返し語りかける必要があります。そうして初めて、その内容は説得力をともなって、水のように彼らの心にしみ込んでいくのです。
私も自分の考えと哲学を理解してもらうため、なけなしの知恵や知識を振り絞って回りくどいほど丁寧な説得をしたこともあれば、社員とケンカ腰の激論を交わしたこともあります。策を弄したりごまかしたりすることなく、正面からあきらめずに幾度となく説得を試みたのです。(P111-114に掲載)