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心。人生を意のままにする力

210621

『心。』(サンマーク出版)から、稲盛の言葉をご紹介いたします。

<稲盛の言葉>
ともすると私たちは、うまくいかない現実に直面して怒りを覚え、自分の思いどおりにしたいと欲を募らせます。また現状に文句をいったり、不平不満をもらしたりしてしまいがちでもある。

現実とは、たった一つの真実が投影されたものです。しかし、そのような濁った心を通して現れた現実は、おのずとそれ相応に濁った現実になる。何のことはない、不幸はすべて自らの心がつくり上げているのです。しきりに自分の人生は不幸だと訴え、不平不満を叫ぶ心が不幸を呼び起こしてしまっているわけです。

悟りにいたった人というのは、こうしたとらわれから解放され、物事の真実の姿が見えます。そのようなまっさらな心を通して紡ぎ出される現実は、ときにまるで奇跡のようなすばらしい出来事を引き起こします。
しかし、幾度となく述べてきたように、私たちは悟りにいたることなどまずできません。できることといえば、一歩でも悟りに近づくべく心を磨いていくしかない。その不断の努力こそが、人生そのものだといえるのです。
そのためにできる一つの方策は、一日のうちわずかでも、心を静め、おだやかに保つ時間をとることです。

現代社会はあふれるほどの情報が間断なく入ってきますし、仕事に追われていると頭の中はめくるめく思考の渦がおさまることがなく、心も安らぎを覚える余裕がありません。そのような心にざわめく波をしばし鎮めて、明鏡止水という状態になる機会をつくってみる。
瞑想でも座禅でもよいのですが、毎日短い時間でもよいので、心を平らかに鎮めるひとときをとることによって、真我の状態に少しでも近づくことができる。それは人生全般を豊かで実りあるものにしてくれる一助となることでしょう。(P188-189に掲載)