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親子の絆を深めたバレエへの招待

2007年9月21日、22日の2日間、日本を代表するクラシック・バレエのパイオニア、清水哲太郎さん、森下洋子さん率いる松山バレエ団による「くるみ割り人形」の上演が、鹿児島市民文化ホールで行われました。そこには、離島から船でやってきた親子を含む、鹿児島の小中学生と保護者3,000人の楽しそうに感想を交わし合う姿がありました。
稲盛と清水さん、森下さんとの出会いは、経営者の勉強会「盛和塾」でした。その縁で松山バレエ団の大阪公演に足を運んだ稲盛は、舞台芸術のすばらしさに深く感動し、「これは何かしなければならない。子どもたちに本物の芸術を見せてあげたい」と考えました。
稲盛は鹿児島県出身であり、松山バレエ団創立者の故松山樹子さんの故郷も鹿児島県でした。「鹿児島の子どもたちは、自然に囲まれてたくましく育っているが、なかなか本物の芸術に触れる機会がないだろう」と考えた稲盛は、「鹿児島の子どもたちを親子でバレエに招待する」と決めました。しかし、鹿児島県には離島が多く、交通費のかかる船で移動するしかない子もいます。そこで、離島の子は交通費も負担して招待することとしました。そこには、帰りの船中で思い出話をして、親子の絆を深めてほしいという稲盛の思いがありました。
当日、鹿児島県各所から集まった子どもたちは、場面が変わるシーンやネズミと人形との戦いのシーンを熱心に鑑賞し、時おり親子でそっと話す姿も見受けられました。そして上演後には稲盛が願ったように、楽しそうに親子で話しながらそれぞれの帰路へとつき、後日、「(松山バレエ団に)また鹿児島に来てください」「稲盛先生に感謝」という感想も寄せられました。
「くるみ割り人形」の上演から約15年。あの頃小中学生だった子どもたちも、すでに成人している頃です。幼いころに見たすばらしい芸術が与えてくれた親子の思い出が子どもたちの豊かな心をはぐくんでくれていることでしょう。


写真協力:松山バレエ団
写真
1枚目:「くるみ割り人形」のワンシーン
2枚目:離島からの親子受付
3枚目:開演を待つ親子
4枚目:終演後の記念撮影