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京セラギャラリーと日本画

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芸術の秋です。京セラ本社にもギャラリーがあり、日本画やピカソの版画、中国のガラス器などを自由にご覧いただけます。中でも、日本画には稲盛にまつわるエピソードがあります。
1980年代前半、京セラのセラミック部品とも関係の深い半導体やコンピュータなどハイテク製品を巡って、日本と欧米諸国の間で経済摩擦が起こりました。その時、欧米では「日本人はエコノミックアニマルで金儲けしか頭になく、まともな文化も持っていない」といわれのない非難の声がありました。

このことに胸を痛めた稲盛は、ワコールの創業者で友人であった塚本幸一会長とともに、「日本人は決してエコノミックアニマルではない。日本にも優れた伝統や文化があることや、日本人の"心"を欧米の人たちに知らしめよう」と、現在京セラギャラリーに展示されている作品を含む48点の日本画を集め、パリ、ロンドン、ボストンなど6か国7都市を巡回する「現代日本画展」を1984年から2年間かけて開催して回ったのでした。

この巡回展には、ロンドンではチャールズ皇太子やダイアナ妃、パリではシラク市長(当時)など各国の著名人や有力者も多くお越しになり、日本や日本文化への理解を深めていただくなど、民間レベルの文化外交として、大きな成果を収めました。
その後も稲盛は、国際的なビジネスにおいては単に製品を売買するのではなく、文化も含めた形での相互理解を尊重したビジネスを心がけてきたのです。

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写真:
1枚目:京セラギャラリーWebサイト
https://www.kyocera.co.jp/company/csr/facility/gallery/
2枚目:展示室の現代日本画展出品作
3枚目:日本画展オープニングセレモニーでの稲盛(1986年4月)