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カメラマンが見た稲盛和夫 写真家 鈴木 正美
「自然な姿」を伝えたい。
そんなことを考えながら毎日撮影をしています。
人が纏う空気感を読み手に伝えられたら・・・
この日は対談形式での撮影でした。少しハードな光で撮影しようかな?と考えていた僕。男性の経営者らしく、力強い写真の仕上がりを!と準備していたのです。
稲盛さんが到着すると、一瞬スタッフに走る緊張。
しかし着席した稲盛さんから漂ってきたのは...とてもリラックスしたオーラでした。
緊張しきっていた僕は、稲盛さんが醸し出すなんともおおらかな表情に正直拍子抜けした感じになり、癒されてしまったのです。
写真家は被写体に対して、その時自分が思う最善な技術で対応します。この時は一瞬で先のイメージを改め、その安心感を表現したいと思い、ライティングを含めてガラリと変えることにしました。
目の前の稲盛さんは自然体でゆったりとしておられました。言葉を大切にしながらの知性的な会話。たまに見せる笑顔ややんちゃな表情。時折考えるように目を瞑り、また、彼方へ視線を馳せる。手振りを交えて流れるように。山のように真剣に、河のように優しく。
次第に僕は稲盛さんの魅力に引き込まれていきました。
撮影をしながら、ふと僕が考えたこと。
「その視線の先には、何があるんだろう?」
自己の利益ではない、世に尽くす心。それが形作る未来。
「考え方」ということを、今、こんな時代だからこそ考えます。人として生まれた意味を含めて、出来ることを精一杯やる。良い考え方を持って、最善を尽くしたい。
迷いも沢山ありますが、あの時僕の中に入ってきた優しい波のような感覚は、まだしっかり残っていて、自分を導いている。そんな風に思っています。
感謝!
Studio orange
http://www.studioorangeweb.com/index.html


*今回ご紹介した写真は、稲盛の著書『考え方』(大和書房刊)に掲載されています。