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若盛会
京セラには「若盛会」という役員幹部が参加する自主的な勉強会があります。
これは1991年7月、若手役員たちの自己研鑽の場として発足した勉強会で、当時、新役員に若い世代が多く登用されたことを機に自己研鑽に努め、より一層の人間的成長を遂げなければならないと役員幹部自らが提案し、稲盛に懇願したものでした。また、ちょうどその頃稲盛は盛和塾の全国展開に向け熱心に取り組んでいたことから、本家本元の京セラの役員も塾生に負けてはいられないと奮起したことも理由の一つでした。
勉強会のテーマは、役員としての考え方や判断基準を共有することがいちばん大切ということから、京セラフィロソフィを学び直す、と決定しました。また、発足時の企画案では参加資格を、国内在住の50歳以下で常務取締役以下の役員としていましたが、稲盛は「形式的ではなく、有志で集まってやればよい」と言い、真に学びたい者が集う形で実施することになりました。
稲盛は初年度こそ、スケジュールが空いていれば参加するようにしていましたが、翌年の1~2月頃からはあらかじめスケジュールに組み込み、必ず自らが講師となって講話を行うようになっていきました。
初めての講話をした第2回若盛会(1991年9月23日)では、役員向けに闘争心の重要性を次のように訴えました。(社内報に掲載された内容をのちに2007年盛和塾世界大会の塾長講話で紹介)
「私は最近、京セラ社内においてガッツというか、闘争心が希薄になってきているのではないかと危惧しています。目標に向かって、何がなんでもという気迫でなりふり構わず突き進んでいくガッツ、闘争心というものが皆さんから失われてきているように思います。
しかし、この「闘争心」というのは、経営をしていく上では才覚、リーダーシップと並んで欠くことのできない成功の条件なのです。それもキャンキャンと吠える弱い犬みたいなものではなしに、土佐犬みたいに噛みついたら離れないという、そのくらいに執念深い闘争心が絶対に必要なのです。勝敗に執念を燃やしていくようなガッツがなかったら、どうにもなりません。皆さんにも仕事をする上で、このガッツ、闘争心を、もっと持ってほしいのです」
このように稲盛は若盛会で学ぶ役員幹部に向けて、講義や懇親会の中で度々熱を込めて語りかけました。現在では稲盛の参加はありませんが、役員同士の深いコミュニケーションをとる懇親の場として会が行われています。