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シルクロードでの1枚の写真
3月19日はカメラ発明記念日、28日はシルクロードの日なのだそうです。そこで今回はこの二つの記念日にちなんで、稲盛がシルクロードのウルムチ市(新疆ウイグル自治区)で撮影した1枚の写真をご紹介します。
京セラが「CONTAX」というブランドのカメラ事業を行っていた頃、もともとカメラなどの機械が好きな稲盛も京都の経済人、文化人のCONTAX愛好者が集まった「CONTAXクラブ京都」に入って、時々写真を撮ったりしていました。
その稲盛が2000年の夏に、招かれて新疆大学での講演のためウルムチ市を訪問した際、広場の片隅で民族衣装を着て楽しそうに踊っている少女を見かけて撮影したのがこの写真です。ウルムチは長安(現在の西安)からトルファンを経てウズベキスタン共和国のサマルカンドに抜けるシルクロードの古くからの要衝の一つで、ウイグル文化の香りがそこかしこに感じられる都市です。
子供たちが着ているのは汗朱子(ハン・アトラス)といわれる絣(かすり)のような、この地域独特の色彩豊かな絹織物。ウイグル人は「子どもは歩きはじめると踊りだす。話しはじめると歌いだす」と言われるほどに、音楽と踊りを好むと。写真の子どもたちもそんなウイグルの気質を受け継いだ二人なのでしょうか。稲盛は無邪気なあどけない姿に心惹かれたのか、その場を通り過ぎながら急いでシャッターを切ったようです。幼い子どもに寄せる暖かい慈愛の目が感じられる1枚です。
写真
1枚目:稲盛がウルムチで撮影した写真(2000年)
2枚目:CONTAXを手にした稲盛(2000年)
3枚目:カメラのナニワ主催の写真展に出展したときの写真(1999年)