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経営のこころ 会社を伸ばすリーダーシップ
今月より『経営のこころ 会社を伸ばすリーダーシップ』(PHP研究所) から、稲盛の言葉をご紹介いたします。
確かに人の心ほど儚く頼りにならないものはないけれど、これくらい強くて頼りになるものもないはずだ。そういうモノやカネよりも強くて頼りになる人の心というものをベースに、経営をやっていくべきだと思ったのです。
それ以来、私どもはずっと、人の心をベースとした経営を行なってきました。どうすれば強固で信頼のできる、心で結ばれた集団をつくることができるか、ということに焦点をしぼって経営をしてきたのです。
これは一般にいわれるように、「心の通う」ということになろうかと思います。心を通わせるには、「愛されるためには愛さなければならない」といわれるように、その中心になるべき私、すなわち経営者が、まず素晴らしい心の人たちに集まってきてもらえるような素晴らしい心を持たなければならないと、私は解釈しています。そのために、経営者である私自身がわがままを自戒しています。
また、皆の心を一致団結させるためには、やはり経営者が私心をなくして、皆が心を寄せてくれるこの集団のために、少し時代がかった表現ではありますが、命をかけるというくらいの気持ちで社員に尽くさなければならないと考え、努めています。そうした、信じられる者同士の集まりということを基本にして、今日までやってきました。
(P17-18に掲載、出典は1973年8月8日 金融財政事情研究会)