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稲盛和夫の好きな食べ物 ニューヨークTad's Steaksのステーキ

稲盛の大好きな牛肉シリーズの第三弾は海外編。京セラ創業後の早い時期にアメリカでの営業活動を始めた頃、たびたび訪れたというニューヨークのカフェスタイル形式レストランTad's Steaksのステーキをご紹介します。
同店は1960年にオープンしたアメリカにおけるファストフードの走りとも言える格安ステーキレストランです。稲盛が初めて米国に出張したのは1962年ですが、1960年代のどこかから同店を利用するようになったのでしょう。稲盛が訪れた当時はステーキが4ドル(1,440円)で提供されていました。
まだ京セラも小さく、なけなしの経費を使っての海外出張であったため、とても普通のステーキなどは食べられず、出張の最後に「アメリカに来たのだからせめて最後はステーキを食べて帰ろう」ということで同行の社員と一緒に入ったのがこのお店でした。
そこで稲盛は肉の美味しさにとても驚き、惹きつけられたそうです。そして何よりも気に入ったのが、その美味しいステーキを4ドルという安さで提供するコストパフォーマンスの高さでした。
経営者としての稲盛は、特に費用対効果に敏感でした。いかに美味しくても高い価格で提供してしまっては当たり前で、なにも驚くにはあたりません。また、逆に価格が安くてもそこに価格以上の価値を見出せなければ、稲盛は見向きもしませんでした。安い価格で美味しいものを提供している経営者や料理人の気概と能力に、ことのほか魅力を感じるのです。
後年、京セラが大きくなった後は稲盛も誰もが知る高級なステーキハウスも利用しましたが、いつまでも稲盛の心の中に残っていたのは、まだ貧しかった時代に利用した、格安な価格で美味しいステーキを提供し続けてくれたこのTad's Steaksの経営者の心意気だったにちがいありません。
写真:2008年 ニューヨークの街カフェにて(注:Tad's Steaksではありません)