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『経営12カ条 経営者として貫くべきこと』①

230417

今月より、『経営12カ条 経営者として貫くべきこと』(日経BP)に掲載されている稲盛の言葉をご紹介いたします。

「経営12カ条」におけるこの第1条で「大義名分のある立派な会社の目的、意義を確立せよ」と言いながらも私は、京セラやKDDI、また日本航空で「全従業員の物心両面の幸福を追求すること」をミッションとして掲げてきました。つまり、従業員が幸せであればよいのだという一点に絞っているわけです。

これでは、立派で、公明正大で、大義名分のある経営理念とは言えないのではないか。そうお考えになる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、人を愛し、従業員を愛し、皆が幸せになってほしいと願うことは、どんな大義名分よりも立派な大義名分であり、どんなミッションよりも素晴らしく公明正大なミッションなのです。

プリミティブで矮小化された経営理念のように思われがちですが、「全従業員を幸せにする」ことほど立派な大義名分は他にないと思います。会社にはそれぞれ、さまざまな経営の目的や使命があると思いますが、経営をしていく以上は、そのなかで「従業員の幸せを第一義とする」という一節をぜひとも謳ってください。必ずや従業員もその大義名分に感激し、それに応えるような努力を払ってくれるはずです。
(『経営12カ条』「第1条 事業の目的、意義を明確にする」P.34)