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シリーズ「稲盛和夫の著書」 第11回『燃える闘魂』

稲盛の「経営12カ条」中の第8条をテーマとする書籍です。この本を世に問うことになったのは、「失われた時代」と評された長期にわたる経済的停滞に加え、日本の国際的な地位低下が憂慮された社会環境が背景にありました。今こそ日本に活力を与え、再び人々が目を輝かせて歩むことができるよう、毎日新聞出版から稲盛に執筆依頼があったのです。
稲盛も日本の行く末を憂いていたのでしょう。お受けすることになり、自身の人生や経営の実体験を交え、人々の心のエンジンに火をつけ、経営者のモチベーションを大いに高める原稿づくりが進行しました。
そして、そんな原稿にふさわしい表紙デザインとして提案があったのが、篠山紀信さんの「激写」写真を表紙に使うというアイデアでした。
発想としてはいいものの、果たして篠山さんにお受けいただけるだろうか、何より稲盛自身が受け入れてくれるだろうか。関係者の心配をよそに、二人から快諾が得られ、急ぎ撮影の運びとなりました。
当日、六本木のスタジオに到着した稲盛を、篠山さんが準備万端お迎えいただきました。「激写」で数々の女優やアイドルに迫った篠山さんの注文に応え、稲盛はポーズを取っていきます。篠山さんは遠慮なく稲盛に迫っていきます。
写真嫌いの稲盛がいつ怒り出すかとヒヤヒヤでしたが、杞憂に終わりました。撮影時間は30分くらいだったでしょうか。終了後の二人の笑顔が撮影の成功を物語っていました。
そうして選ばれたのが、書籍『燃える闘魂』表紙カバーを飾る写真です。この本は、日本を大いに元気づけたのみならず、タイやベトナムなど伸び盛りの国でも発刊され、ベストセラーとなっています。