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稲盛ゆかりの地を巡る-「一般財団法人 自彊学舎」鹿児島市薬師

稲盛ゆかりの地を巡る。今回は、薩摩藩の時代から受け継がれる「郷中教育」を通じて幼き稲盛和夫の心と体を育んだ自彊学舎(じきょうがくしゃ)です。そこでの思い出や学びについて稲盛は、次のように振り返っています。
「鹿児島では、終戦まで学校教育のほかに、それぞれの町内単位で、郷中教育と呼ばれる独特の教育が行われていた。私も小さい頃に、学舎と呼ばれる施設で、その教育を受けたことを覚えている。そこで私は、初歩的な日本の歴史や中国の古典、また鹿児島独自の剣法である、示現流などを教えてもらった。その中で、薩摩が生んだ偉人である、西郷隆盛について徹底的に教えられたことが、特に今でも印象に残っている。それまで西郷隆盛の功績については、いろいろと聞いていたが、そこで初めて彼の人となりと偉大な功績について、体系的に学ぶことができた。その記憶は、知らず知らずのうちに、私の考え方に影響を与えているように思う」 『人生と経営』致知出版社 より
明治維新を成し遂げた薩摩藩士たちは、幼少期から郷中教育を通じて心身を鍛えられました。稲盛にとっても「負けるな、嘘を言うな、弱い者をいじめるな 」という学舎の教えとともに西郷の人間性を学んだことは、人生を通じてぶれることのない判断基準を形成する大きな要素となりました。
稲盛の母校である西田小学校のすぐ隣(鹿児島市薬師)にある自彊学舎は、現在も活発な活動を行っています。戦後の占領政策により一時活動を休止するも、地域住民からの「青少年の健全育成のため」との声を受けて復活。郷土先人の教えを学ぶ「伝統文化事業の継承活動」や親子・家族等で取り組む自然体験や実体験「チャレンジ親子塾」を活動の中心として、青少年の健全育成に努めています。

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1枚目:現在の自彊学舎内の道場 西郷隆盛筆とされる「敬天愛人」の額が掲げられている。(一般財団法人自彊学舎提供)
2枚目:小学校3年生時の稲盛(後列左)