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京セラ新本社ビル竣工にまつわるエピソード(1998年)

1998年8月、京都市伏見区に現在の京セラ本社社屋が完成しました。
本社社屋の建築にあたって稲盛は自らの理念である「自然との共生」を体現した社屋とすべく、さまざまな環境への配慮を盛り込みました。
屋上と南側壁面には1,896枚の太陽電池を取り付け、当時、それは高層ビルの垂直壁面に設置された太陽電池容量としては世界最大規模のものでした。また、ガスエンジンを採用したコージェネレーションシステムを導入し、これに太陽光発電システムと商用電力とを組み合わせた系統連系システムは全国に先駆けた試みでした。その他にも、氷蓄熱式空調機やペリゾーン換気システム、空調機の電動機にインバータ制御システムを採用して自動制御を行うなど、当時としては最新の環境配慮技術を盛り込みました。
また社屋正面の公開空地には、一年中花が絶えないようにと、桜やハナミズキ、山茶花、稲盛の故郷鹿児島の県花であるミヤマキリシマなどを植え、四季折々市民の方々の憩いの場となるような配慮がなされました。社屋1、2階正面を大きなガラス面としたのも、中で働く人が外の自然とともに生きているという一体感を感じられるようにとの思いが込められています。
そのように稲盛はこの竹田本社ビルを通して人と自然との共生の大切さを社会に訴えようとしたのでした。


写真
1枚目:現本社社屋。建物左側一面がソーラーパネル。建物を囲むように多様な植物が植えられている
2枚目:公開空地から本社ビルを見上げる稲盛
3枚目:社屋エントランス前に咲くミヤマキリシマ