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稲盛ライブラリーこの逸品 JAL有志からの記念品「楽団オブジェ」

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稲盛ライブラリー2階「技術・経営」のフロアには、旅客機のエンジン部品からつくられた人形で構成された「楽団オブジェ」が展示されています。

稲盛は2010年に経営破たんした日本航空を再建する責務を担い、就任から2年7カ月で再上場を果たし、2013年3月末で取締役を退任、名誉会長(後に名誉顧問)となりました。この「楽団オブジェ」は、稲盛の日本航空取締役退任にあたり、同年4月に有志の社員たちが催した「感謝の会」にて稲盛に贈られたものです。

制作をされた整備士の方は、その動機を次のように語っています。
「元々、人形制作を通じて、整備技術の伝承、整備士という職種の認知度向上を図り、現場のモチベーションアップや責任感の向上につなげたいという思いで制作活動を展開していました。
経営破たん以降、JALフィロソフィ勉強会等で整備以外のさまざまな部門の社員と交流が持てたことで、整備に不具合があった場合、お客様や社員に大変な苦労や心労をかけてしまうことを実感しました。仕事の先にある仲間やお客様を思う、まさに「利他の心」の大切さに深く心を動かされ、このことは整備士として大きな気付きとなりました。こうした考え方を残してくださった稲盛名誉顧問には感謝しかなく、『ぜひ感謝の気持ちとして人形のオブジェを贈りたい』と自ら申し出たのです」

ピアノ・打楽器も含めた15体の管弦楽団として構成されたこのオーケストラには、同じポーズの人形がひとつもありません。実際の現場でも、力強いリーダーの指揮のもと、団結した社員たち一人ひとりが役割と責任を果たす中で美しいハーモニーが生まれ、日本航空は再建を果たすことができました。この作品には、きっとそんな制作者の喜びと感謝の気持ちが込められているのでしょう。

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