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『経営12カ条 経営者として貫くべきこと』 ⑧

231102

『経営12カ条 経営者として貫くべきこと』(日経BP)から、稲盛の言葉をご紹介いたします。

経営においては、いくら企業間競争に打ち勝ち、万全な経営に努めていても、円高などの経済変動や国際紛争、さらには自然災害と、思わぬ変動要因がいろいろと湧き起こってきます。

それら経済変動や天変地異は、経営者の責任ではありません。しかし、そうしたことを口実にして安易に業績の下降を許してはならないのです。予期せぬ事態をも超えて事業の拡大を目指していかなければ、企業が成長発展することはありません。

京セラもそうでした。今日に至る道程は決して平坦なものではありませんでした。創業以来、ニクソン・ショックを受けた円の変動相場制への移行、オイル・ショックによる空前の不況、半導体・自動車を契機とした熾烈な日米貿易摩擦、プラザ合意後の急激な円高、バブル崩壊後の長い景気低迷、リーマン・ショックによる世界規模の金融不安、さらには欧州諸国の財政危機に端を発した景気後退と、次々に巨大な景気変動の波が日本の産業界を襲いました。

多くの企業がその激流のなかで翻弄され、衰退し、淘汰されていきました。しかし、京セラは、景気の波を真正面から受けながらも、成長を続け、収益をあげ続けることができたのです。

それは、私自身が、また私の後を継いだ京セラの経営陣が「絶対に負けるものか」という強い思い、いわば燃える闘魂を持って経営に当たり、いかなる景気変動にも負けることなく、努力と創意工夫を重ね、成長発展を目指してきたからに他なりません。

景気や経済変動に一喜一憂せず、どのような経営環境であれ、闘争心を持って誰にも負けない努力を続けていきさえすれば、必ず道は開けてきます。会社を取り巻く厳しい経営環境に負けることなく、会社の成長発展を目指していくことも、闘争心のひとつだと思います。

(『経営12カ条』「第8条 燃える闘魂」p.164-165