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稲盛ゆかりの地を巡る-「アメリカ カリフォルニア州 スタンフォード大学」

稲盛ゆかりの地を巡る。今回は、大学世界ランキングでも最高峰といわれるアメリカの名門、スタンフォード大学です。1960年代後半、京セラの営業拠点がアメリカに設立されたとき、稲盛は米国式の会計を学ぶため、近隣にあったこの大学の図書館を訪れたのでした。当時の様子を稲盛は次のように振り返っています。

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1968年には、後に半導体産業のメッカとなったシリコンバレーの近くにある、カリフォルニアのサニーベイルというところに営業所をつくり、現地での仕事を始めることになった。そのとき、それまで本社で貿易部長をしていた海外経験豊富な上西さんに、入社したばかりの若い社員をつけて、アメリカ駐在員として赴任してもらった。その当時の新入社員が、現在(編集注 1998年当時)京セラ専務の梅村君である。

(中略)私もそのころまだ会計のことをあまりよくわかっていなかったので、アメリカへ出張した際、「一緒にスタンフォード大学の図書館に行って経理の勉強をしてみよう」と思い立ち、梅村君を誘ったことがある。サンフランシスコ郊外にあるスタンフォード大学の図書館に行ってみると、面白いことに難解な専門書だけでなく八百屋の店主が簿記をつける方法というようなわかりやすい本まで置かれていた。まさに実学の国アメリカであると思い、二人で一緒に基礎から経理の勉強をしたことを覚えている」

(『稲盛和夫の実学』文庫版 日本経済新聞出版社 P6869より )

世界で初めて半導体集積回路の商業生産を開始したフェアチャイルドセミコンダクターをはじめ、近年もYahooGoogleといったシリコンバレーの代表的IT産業の創始者を輩出しているスタンフォード大学。その起業家精神に満ちた校風を肌で感じた稲盛は、この場所でアメリカ進出に懸けるモチベーションをさらに高めていったに違いありません。

注)現在、スタンフォード大学内には20の図書館施設群が設置されていますが、その中心的存在となるのは「セシルHグリーン図書館」です。受付で入館登録を行うことで一般の方でも入ることが出来ます。

・スタンフォード大学公式サイト(英語): https://www.stanford.edu/

・スタンフォード大学図書館公式サイト(英語): http://lib4rary.stanford.edu/libraries/green/about

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1枚目: スタンフォード大学内 セシルHグリーン図書館外観 (画像提供:PIXTA
2枚目: 稲盛(左)と梅村氏 1971年サニーベイルのオフィスにて)