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『経営12カ条 経営者として貫くべきこと』 ⑪

『経営12カ条 経営者として貫くべきこと』(日経BP)から、稲盛の言葉をご紹介いたします。『経営12カ条 経営者として貫くべきこと』(日経BP)から、稲盛の言葉をご紹介いたします。
思いやりは、「利他の心」とも言い換えることができます。つまり、自分の利益だけを考えるのではなく、「自己犠牲を払ってでも相手に尽くそう」という美しい心のことです。私は、ビジネスの世界においても、この心が一番大切であると考えています。
しかし、「弱肉強食のビジネス社会では、思いやりや利他などの実現は難しい」と考える方も多くいらっしゃることでしょう。(中略)新聞報道などを見ると、日本企業と外国資本との提携などで両者の主張がせめぎ合い、なかなか折り合いがつかない、ときには破談に終わるケースも多いようです。
私は、これらの失敗例と京セラの成功例の違いは、「利害得失だけを考えるのか、それとも本当に相手のことを思いやるのか、その心の差異が表れたものだ」と考えています。
相手を大切にし、思いやるという「利他」の行為は、一見すると自分たちが損をするようでも、長いスパンで見れば必ず、素晴らしい成果をもたらしてくれるものなのです。(『経営12カ条』「第11条 思いやりの心で誠実に」p.213-216)