Facebookアーカイブ

稲盛と卒業① 京セラ取締役からの卒業

240307-1.jpg

3月は卒業のシーズンです。今月は、稲盛の「卒業」にまつわるエピソードを3本ご紹介します。

稲盛は2005年6月に京セラの取締役を退任し、経営の第一線から卒業しました。
ちょうどその頃、京セラ社員から「盛和塾の各塾が主催している市民フォーラムの内容を、ぜひ社内でもやってほしい」という要望があり、稲盛の「社員に直接語りたい」との思いも相まって、10月の九州地区を皮切りに、西日本地区、東日本地区の計3か所で「社員フォーラム」を行いました。

社員フォーラムで稲盛は、「素晴らしい人生をおくるために」と題し、人生を通じて善きことを思い、善きことを行う大切さや、魂を磨き人格を高めることの重要性について、さまざまな事例を交えながら語りました。
講演後には、社員たちからの溢れんばかりの思いが込められた感謝状が贈られ、稲盛は言葉の一つひとつを目をつむってしみじみと聞いていました。

その後、「感謝の夕べ」と称した懇親会では、それぞれの会場で趣向を凝らし、歴史を紹介するスライドショーの上映や太鼓の演奏など、会場が一体となる社員手作りの企画が用意されました。特に西日本地区では、社員が創業時の制服を再現し、稲盛も「こんな感じだったなぁ」と懐かしそうにその制服を身にまとい、みんなで合唱をし、退任を祝う感謝の懇親会は幕を閉じました。

ところで、稲盛が社員から贈られた感謝状。そこには何が書かれていたかというと、九州、西日本、東日本のどの書面にも賞状ではありえないほどに長い感謝の言葉が綴られていました。
創業から46年。「全従業員の物心両面の幸福」を常に追求し続けた経営者の一つの節目を皆で祝う、幸せな卒業式でした。

240307-2

240307-3

240307-4

(※社員からの感謝状は、稲盛ライブラリー5F 再現執務室に展示しています)